市民、学生、企業が海岸清掃 200人参加、漂着ごみの現状発信 海Loveネットワーク

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海岸に漂着した大量のごみを拾い集める参加者ら=5日午前、平野海岸
海岸に漂着した大量のごみを拾い集める参加者ら=5日午前、平野海岸

地球規模の漂着ごみ問題を多くの人に知ってもらおうと「海Loveネットワーク」(中川久美子代表)の呼び掛けで市民や島外の学生団体、企業など約200人が5日、石垣島最北端の平野海岸で大規模なビーチクリーンを展開した。ペットボトルだけで約1万2500本を回収、漂着ごみの現状を発信した。中川代表は「企業や行政の取り組み以上に消費者の意識を変えなければいけない」と訴えた。

同イベントは、ごみを一つ一つ拾い集めて分別し、集積場所まで運ぶ作業を通して海洋プラスチックなど環境問題を考え、自ら行動を起こすきっかけにすることを目的に毎年開催しており、今回で15回目を迎えた。

清掃は、午前9時からスタート。午後1時まで約2㌔にわたる海岸に冬の北風で押し流されてきた漂着ごみを拾い集めた。

海洋調査研修船「望星丸」で来島した東海大学の学生も参加。初めて石垣島を訪れた朝岡詩さんは「石垣島は青い海と白い砂浜というイメージだったが、思った以上にごみが漂着していた。特にプラスチックごみが多い」と驚いた様子で話した。

この日、集められたごみはペットボトル250袋(約1万2500本)、漁具ブイ211個、今年に入って急増したカラーブイ253個、プラスチックごみ183袋、漁具28袋、ロープ84㌔のほか電球や蛍光灯などが回収された。大量のごみは、参加者らのバケツリレーで集積所に積み上げられた。

ドラム缶やガスボンベなど危険だったり、大きすぎたりして回収できなかったものも目立った。

中川代表は「冬の間の北風で漂着するのは海に漂うごみの一部。多くのごみがマイクロプラスチックになるなど海洋動物たちに大きな影響を及ぼしている。名ばかりのSDGsにしてはいけない。私たち消費者も生活スタイルを見直せば少しは減らせる」と強調。「漂着ごみがなくなり私たちの活動が不要になる未来をつくりたい」と話した。

(八重山毎日新聞 全国12新聞社加盟 全国郷土紙連合。元記事はこちら

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