山小屋への物資輸送 無人VTOL改良機の飛行デモ 長野県伊那市と川崎重工業
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長野県伊那市と川崎重工業(本社・東京都)による無人垂直離着陸(VTOL)機を使った山小屋への物資輸送プロジェクトで、改良した機体の飛行デモンストレーションが14日、伊那市の伊那スキーリゾートであった。以前に比べて積載量を増加させ、100キロの荷物を標高3100メートルまで運べる。プロジェクトは2025年度までを目標に事業化の準備を進めていく。
現在、山小屋への荷揚げは主にヘリコプターを使用しているが、パイロット不足や天候の急変など課題が多い。市と同社は21年度から代替輸送のプロジェクトをスタート。山間地の物流インフラの維持を図り、さらには農薬散布や遭難時の捜索など幅広い活用も視野に入れる。
同社の無人VTOL機「K―RACER」は事前に設定したルートを往復して食料や燃料など山小屋に必要な物資を運ぶ。今回の実証機はローターの直径を7メートルに伸ばしてパワーを増強。標高0メートルでの最大積載量は以前の2倍に当たる約200キロに増えた。
今後開発する量産機は標高3100メートルまで約200キロの荷物を運べるようにする。来年度以降に山小屋への飛行実証も実施する予定という。
14日は伊那スキーリゾート周辺の空き地を会場に実証機を地上20メートルほどまで上昇させ、旋回する様子を披露。関係者約80人が見守った。
白鳥孝市長は「地方の課題を高いレベルの技術で解決していくことに期待したい」。同社の松田義基社長直轄プロジェクト本部長は「今後もご協力を得て、事業化にまい進したい」と話していた。
(長野日報社 全国12新聞社加盟 全国郷土紙連合。元記事はこちら)
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