「もしも」に役立つ猫手帳好評

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ペットの家族化が進んでいる。飼い主の身に「もしも」のことがあった場合、家に残されたペットの面倒をみてもらえるよう、「ねこHELP手帳」などを開発したイラストレーターのオギエイコさん(本名、荻野朱加さん)と夫信寛さんが東愛知新聞社を訪れた。1日から、新バージョンのバインダー式手帳を一般販売する。

岐阜市の家に2匹の猫がいる。動物愛護センターから引き取った。ある時、猫を飼う一人暮らしの友人がつぶやいた。「自分が猫より先に亡くなったら残されたらと思うと寝られない」。3人の子どもがおり、母子手帳を持っている。「猫にも手帳があったら」。そう考えて開発を始めた。

新しい「ねこヘルプ手帳」をPRする荻野朱加さんと信寛さん=東愛知新聞社で
新しい「ねこヘルプ手帳」をPRする荻野朱加さんと信寛さん=東愛知新聞社で

「ねこ活はじめました」(KADOKAWA)などの著書があり、SNSで猫好きと交流している。アンケートを繰り返し、手帳の内容を固めていった。2022年7月に「ねこHELP手帳」(A6判48㌻、カバー付き1056円)をリリースした。

大好評で、多くの人が買い求めたが「日記を毎日書きたい」「1冊で多頭分をまとめたい」「ページを増やしたい」などの要望があったため、改良を決意。バインダー式にして写真も飾れるような手帳を新たに作った。

バイブルサイズでピンクと水色の2種類。カバーは動物福祉を考えて合皮にした。表には猫のイラストと「家で大切な家族(ねこ)が待っています」「私になにかあったらこの手帳を開いてください」とある。

開くと「家の猫を助けるために、どうか手を貸してください」の文字と署名欄。そして自身の代理人の連絡先、飼い主のプロフィルを書く欄があり、自身と猫のこと、生育環境などについて詳細に書き込むページが続く。

中央には猫の豆知識のコラムを載せた。「猫を飼ったことのない人でも分かってもらえるように」と朱加さん。このコーナーも含め、藤井動物病院(横浜市)の藤井康一院長の監修を受けた。

そして日記のコーナーがあり、猫の様子や通院記録などを自由に書ける。「HELP手帳」に比べ、自由に書けるスペースを大きくした。項目は「食欲」「うんち」「おしっこ」「病院」「爪切り」など。バインダー式なのでいくらでもページを増やせる。

さらに新たに加わったのが緊急時の伝言メモだ。ビニール製でジッパーがついており、手帳から取り外せる。中のシートに、手帳本体に書いた伝言メモの一部を書き写し、キャリーやケージに取り付けられるようにした。助けてくれる人が猫の情報を入手しやすくする工夫だ。また、箱には猫の耳をつけた。

工夫満載の手帳
工夫満載の手帳

8~10月、クラウドファンディングで「ねこヘルプ手帳」を先行販売したところ、1冊5000円(早期割引あり)の値段にもかかわらず、957人が購入し、538万9000円を売り上げた。若者より、生活にゆとりがあり猫を家族として大事に育てている層が買っているらしい。

母子手帳と同じで、一度買えば終わりと思っていたが、リピーターが相次いだ。朱加さんによると、手帳を自慢していたら友達にせがまれてまた買ったケース、自分用と離れた家族用に送るケースなどがあったという。

犬版の製作も検討

「動物病院や愛護センターなどに配りたい」と朱加さん。今後は、リクエストの多い犬用も作る予定だ。

能登半島地震では、ペットも被災した。ボランティアが支援に向かっている。最近はペットとの同行避難が提唱され始めたが、まだ十分に浸透していない。「避難で一時的に猫を預ける場合にもきっと役立ちます」と朱加さんは話す。

オンラインショップの商品の一部
オンラインショップの商品の一部

朱加さんが運営する会社のECサイト=QRコード=で。基本パック(5500円、税込み)に「フリーメモ」「日記30日分セット」などのオプションが買える。サイトでは前の手帳や「どうぶつヘルプマーク」「家ねこステッカー」なども販売中。


(東愛知新聞社 全国12新聞社加盟 全国郷土紙連合。元記事はこちら

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