笹川陽平氏にガンジー平和賞:日本人初、ハンセン病患者支援で

社会

インド政府は16日、2018年の「ガンジー平和賞」受賞者に、公益財団法人・日本財団の笹川陽平会長(80)を選出したと発表した。インドをはじめとする世界的なハンセン病制圧活動などの慈善活動が評価された。

笹川陽平氏
笹川陽平氏

笹川氏は世界保健機関(WHO)ハンセン病制圧大使を務めるなど、この分野で40年以上にわたって活動を続けている。世界で最も患者の多いインドでは、ハンセン病患者や回復者のコロニー(居住地)にたびたび足を運び、自立支援や差別撤廃に向けた取り組みを行ってきた。

笹川氏は「ハンセン病の対策に尽力したガンジー生誕150周年という記念の年に、名誉あるガンジー平和賞受賞の連絡をいただいた。この受賞は関係者の皆様と共にハンセン病患者、回復者の自立支援に取組んできた成果がインド政府に認められ、私が代表して受賞するものと考えている。モディ首相をはじめとするインド政府の皆様や、私と共に活動してくださっているすべての皆様に御礼申し上げます」とコメントした。

同賞は、インド独立の父と呼ばれるマハトマ・ガンジーの生誕125年を記念し、インド政府が1995年に創設。これまでに南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領や、同国のツツ元大司教、バングラデシュのグラミン銀行などが受賞している。ノーベル平和賞も受賞した個人・団体が受賞者に名を連ねており、国際的にも権威ある平和賞の一つとされている。日本人の同賞受賞は初めて。

受賞賞金は1000万インドルピー(日本円で約1500万円)。授賞式の日時は未定という。

バナー写真:インドのハンセン病患者・回復者と言葉を交わす笹川陽平氏(左)=2009年(日本財団提供)

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