原宿・竹下通りで、にっぽん文楽の「お練り」 : 手を振る姫に、見物客から「カワイイ!」

文化 旅と暮らし

江戸時代から伝わる伝統芸能・文楽の人形たちが、カワイイの発信地である原宿・竹下通りを練り歩いた。外国人観光客らは、赤い着物に身を包んだ姫様の人形にスマートフォンのカメラを向けていた。

春休みを利用して東京にやってきた若者や、訪日観光客でごった返す原宿・竹下通りに、艶(あで)やかな赤い着物に身を包んだ「姫」が現れた。

外国人観光客らも、突然、現れた人形に見入っていた
外国人観光客らも、突然、現れた人形に見入っていた

ユネスコの世界無形文化遺産に登録されている人形浄瑠璃・文楽を、国内外の多くの人に知ってもらおうと2015年に始まった「にっぽん文楽」(主催:日本財団)。7回目の公演が3月9日から4日間の日程で明治神宮で開催される。それに先立って8日午前、人形遣いの桐竹勘十郎さんら出演者が華やかな文楽人形と共に竹下通りを練り歩いた。クレープやレインボーカラーの綿菓子を手にした観光客が、伝統文化に遭遇して思わず足を止め、スマートフォンのカメラを向けていた。

中には、人形の脇に陣取って何枚も何枚も「姫」の写真を写しながら竹下通りを原宿駅まで歩く外国人観光客の姿も。「姫」が小首をかしげるようにして見物客に小さく手を振ると、「カワイイ!」と歓声が上がった。

見物客に小さく手を振る人形
見物客に小さく手を振る人形

文楽は一体の人形を3人の人形遣いで操ることで、まるで人間が演じているような写実的な動きを見せる世界的に珍しい演劇。大阪の国立文楽劇場と東京の国立劇場で定期公演が開催されているが、「にっぽん文楽」は、日ごろ、伝統芸能になじみがない人にも、文楽の世界を知ってもらおうと、浅草寺や熊本城、伊勢神宮(三重県)など全国各地を回っている。

今回の公演は「日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)」と「小鍛冶(こかじ)」の二演目。「日高川」は、恋破れた清姫が、嫉妬のあまり大蛇に姿を変えて、狂ったように激流を渡って恋する人を追うストーリー。かわいらしい姫が一瞬にして耳まで口が裂けた恐ろしい形相に変わるなど、初心者でも楽しめるエンターテインメント性のある作品だ。

会場はJR原宿駅の表参道口を出てすぐの鳥居前。銘木の産地として知られる吉野(奈良県)のひのきを使った組み立て式の舞台の美しさも見どころの一つ。今回は、より多くの人に文楽の魅力を知ってもらうため、後方の立見席からは、無料で見物することができる。

「にっぽん文楽in明治神宮」の会場はJR原宿駅から徒歩1分足らず。吉野のひのきを使った組み立て舞台が美しい
「にっぽん文楽in明治神宮」の会場はJR原宿駅から徒歩1分足らず。吉野のひのきを使った組み立て式の舞台が美しい

「にっぽん文楽in明治神宮」

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