マスク増産も完全供給にめど立たず、「メーカーに在庫ない」-新型コロナウイルスの感染拡大で業界団体

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新型コロナウイルスの感染が拡大する中、感染防止に欠かせないマスクは売り切れが続出し、薬局やドラッグストアでもめったに手に入らない。マスク業界は増産に取り組んでいるとしているが、需要の大きさに追い付かず、十分に供給できるめどは立っていないという。

マスクの業界団体である日本衛生材料工業連合会の幹部は電話取材に対し、メーカーは「国内で増産に努め、できるだけ出荷している」と説明。「メーカーに在庫はない」として、売り惜しみなどしていないと強調した。それでも「需要が強すぎて供給が追い付かない」と述べ、店頭で普通に買えるようになるには、感染収束など「需要次第だ」とみている。

政府は、マスク増産に向けた設備投資について補助金を交付する方針だが、同幹部は「まだ制度が動き出しているわけではない」と指摘。国の予算措置はまだ効力を上げていないことを示した。

また、ネット通販などでマスクが1箱(60枚入り)4万円以上などの高額で取引されていると報道されたことについては、「一部のブローカーが買い占め、取引しているようだ」とし、メーカー側は一切関与していないと強調した。

クルーズ船で死者も

NHKによると、新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船では、約3700人の乗員・乗客のうち、19日現在で621人の感染が確認されており、このうち87歳の男性と84歳の女性が20日死亡。2人はウイルスへの感染が確認されたため、いずれも医療機関に入院して治療を受けていたという。国内で感染者が死亡したのは、2月13日に神奈川県に住む80歳代の女性が死亡したのに続いて3人となった。

一方、クルーズ船以外では、日本で確認された感染者は国内居住者が60人、中国からのチャーター機での帰国者13人の73人(19日正午現在の厚生労働省の集計)。

バナー写真:感染を防ぐためマスクをして歩く人たち(時事)

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