ウクライナ避難民支援で学生ボランティア派遣―日本財団 : ポーランドを中心に活動

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日本財団は、ウクライナ避難民支援のため、5月末から10月までの間、1グループ15人の学生ボランティアを7回にわたってボーランドのクラクフなど国境付近の街に派遣する。特に、障害者や高齢者などの避難先での介助が必要な人のサポートに力を入れる。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、日本財団はウクライナ国外に避難した障害のある人や高齢者の生活を支援するため、7グループ、計105人の学生ボランティアを派遣する。派遣先はポーランド南部のクラクフなど、多くのウクライナ人が避難している地域。既に現地で活動している国際的なボランティア団体などの活動に合流し、医薬品や食料品の配布や、移動支援などに携わる。

5月30日には、第1陣、第2陣の出発式が東京港区の日本財団で行われた。第1陣として31日に出発する早稲田大学2年生の齋藤凛花さんは、感音性難聴のため生まれつき両耳が聞こえず、幼い頃に人工内耳の手術を受け、訓練を重ねて会話ができるようになったという。齋藤さんは「生き抜くことだけで精一杯の中、障害を抱え、どれだけ不安で、どれだけ感情を押し殺しているのか、私自身も障害者の一人として心が苦しくなる。避難先で日々の活動を通し、不安や不便さを一緒に感じ、少しでも減らすことができないか懸命に考えたい」と述べた。

 日本財団の笹川陽平会長は、「派遣予定の10倍を超える多くの学生から応募があった。 国内からだけではなく、世界の側から日本を見ることが、これからの日本を背負う皆さんにとって貴重な経験になる」と激励した。

笹川会長(左)から活動ユニフォームを授与された同志社大学の藤田晃矢さん(中央)と齋藤さん(右)
笹川会長(左)から活動ユニホームを渡された同志社大学の藤田晃矢さん(中央)と齋藤さん(右)

バナー写真:第1陣と第2陣に参加する学生ボランティア(ニッポンドットコム編集部撮影)

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