ニュースで振り返る2025年の日本
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【政治】
防衛省・自衛隊の「統合作戦司令部」が3月24日に発足。有事や災害での初動を早め、米軍との連携強化につなげるのが主な狙いで、陸海空の自衛隊を一元的に指揮する。初代司令官には前統幕副長の南雲憲一郎空将が就任した。
参院選が7月20日に投開票。改選と補欠選挙を合わせ125議席を争う中、自民、公明両党は獲得議席が47と大敗し、「必達目標」だった参院全体の過半数(125議席)を割り込んだ。野党では国民民主党、参政党が議席を大きく伸ばした。
自維連立の高市政権誕生
石破茂首相は9月7日、日米関税交渉の合意(後述)を受けて、「一つの区切りがついた」と退陣を表明。自民党総裁選には5人が立候補し、10月4日に高市早苗氏が選ばれた。同10日には公明党が、「政治とカネ」問題への自民の対応が不十分だとして連立政権からの離脱を表明。自民は20日、日本維新の会と連立合意し、21日に高市氏が首相指名された。憲政史上、初の女性首相が誕生した。維新は、閣僚を出さない「閣外協力」で連立与党となった。
高市首相は10月24日に所信表明演説を行い、強い経済のための「責任ある積極財政」「世界の真ん中で咲き誇る」日本外交の復活を目指す方針を打ち出した。また、「防衛力の抜本的強化」を急ぐ姿勢を示した。11月には物価高対策と経済成長の両立を目指し、▽子育て世代への給付金▽電気・ガス料金の補助▽ガソリン減税▽人工知能(AI)・半導体など成長分野への投資▽防衛力強化など、総額約21兆3000億円の「総合経済対策」を決定。一般会計総額18兆3000億円の補正予算が12月16日に成立した。
【外交】
日米関税交渉、9月に合意
2月に訪米した石破茂首相はトランプ大統領と初の首脳会談を行い、日本の対米投資を「1兆ドルという規模に引き上げたい」と表明。赤沢亮正経済産業相を日米関税交渉の担当とし、米側と交渉を重ねた。両国は7月に合意に達し、トランプ大統領は9月4日に合意を履行する大統領令に署名した。米国が適用する相互関税、自動車関税はともに15%となる。日本側は米国への5500億ドル(約80兆円)の巨額投資に加え、自動車やコメで日本市場の開放を約束。
石破首相は8月23日、初来日した韓国の李在明大統領と会談。日韓関係を「未来志向」で安定的に発展させていくことで一致し、中国、北朝鮮、ロシアの動向を踏まえ、日米韓の連携推進を確認した。8月にはまた、モディ・インド首相が来日した。
トランプ米大統領は10月27日、2期目就任後初めて日本を訪れ、28日に高市首相と初会談。高市首相とともに米海軍横須賀基地を訪問した。

米海軍横須賀基地の原子力空母「ジョージ・ワシントン」でドナルド・トランプ米大統領と並ぶ高市早苗首相(左)=2025年10月28日、神奈川県横須賀市(時事)
高市首相は10月30日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため韓国を訪問。31日に中国の習近平国家主席と会談し、「戦略的互恵関係」の推進と「建設的かつ安定的な関係」構築で一致した。首相は翌11月1日、APEC台湾代表の林信義氏と会談したとX(旧ツイッター)に投稿。
「存立危機」発言で中国が強く反発
高市首相は11月7日、衆院予算委員会の質疑で、中国が武力で台湾の海上封鎖などに出た場合、「日本の『存立危機事態』になり得る」と答弁。米軍支援のために集団的自衛権を発動する可能性に言及した。中国はこれに強く反発。答弁撤回を求める一方で、中国人観光客・留学生に訪日自粛を要請したほか、中国で日本映画の上映終了、日本人アーティストの公演中止が相次ぐなど、経済的な圧力を強めている。
【経済】
日本銀行は1月24日、政策金利を0.25%から0.5%に引き上げると決定。2024年7月以来の追加利上げ。その後は金融緩和を基本的に維持していたが、9月から10月にかけて円安が急速に進行して物価上振れリスクが顕在化。積極財政を掲げる高市政権が誕生したこともあり、長期金利が上昇した。植田和男総裁は12月に入り、追加利上げを行う可能性を示唆。19日に政策金利を0.75%に引き上げると決定した。0.75%は30年ぶりの水準。
内閣府が12月に発表した、基準改定を反映した24年の国内総生産は名目GDPで634兆2260億円。初めて600兆円を超えた。
コメ高騰で備蓄米を放出
農林水産省は2月、コメ高騰の対策として、政府備蓄米を放出すると発表。競争入札分の備蓄米が3月末から店頭に並び始めた。5月に小泉進次郎氏が農水相に就任し、同31日から随意契約分の販売を開始した。5キロ2160円で、通常の直近価格の半額程度。しかし、その後も米価は下がらず、12月初めの5キロの平均価格は4300円。石破政権で打ち出した「コメ増産」方針は、高市政権で撤回された。

東京都江東区のスーパーの米売り場を視察する小泉進次郎農林水産相=2025年5月23日(時事)
2025年10月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合)の上昇率は前年同月比3.0%上昇。プラスは50カ月連続。厚生労働省が発表した10月分の毎月勤労統計調査によると、1人あたりの「実質賃金」(速報)は前年同月比0.7%減で、10カ月連続のマイナス。
外国為替市場の円相場は、年初の1ドル=150円台後半からじりじりと円高方向に進み、4月には140円台前半の水準に。しかし、高市政権発足を機に円安圧力が再燃し、11月から12月にかけては、1ドル=150円台半ばから後半で推移した。政権の積極財政志向が財務の健全性を損なうのではとの見方が背景にある。
東京株式市場は、日経平均が年明け約4万円の水準で始まり、「トランプ関税」発動による先行き懸念から4月には3万1000円まで下落した。その後は日米関税交渉の進展や、世界的なAI・半導体関連株の上昇トレンドもあって、10月27日に初めて5万円の大台に乗せた。11月から12月にかけては4万9000円台から5万円台で推移。
【産業】
日本製鉄による米USスチール買収は6月13日、トランプ大統領が買収を認める大統領令に署名。141億ドル(約2兆円)を投じて完全子会社化した。米政府は「黄金株」を保有し、取締役選任権や重要事項への拒否権を持つことになった。
ソフトバンクグループは2月、米オープンAIと合弁会社を設立することで合意。企業経営の改善、業務の自動化などを行うAIエージェント「クリスタル・インテリジェンス」を展開する合弁会社「SB OAI Japan」を11月に設立した。

オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(左)とソフトバンクグループの孫正義会長兼社長=2025年2月3日、東京都千代田区(時事)
ホンダと日産自動車は2月、経営統合に向けた協議を打ち切ると発表した。日産は2025年3月期の純損失が6709億円に達し、4月に「メキシコ日産」出身のイバン・エスピノーサ氏が社長に就任。7月には、国内外で約2万人の人員削減と7工場の閉鎖を含む経営再建計画を発表した。
5月、経団連の第16代会長に日本生命前会長の筒井義信氏が就任した。金融界からの会長起用は初めて。
サントリ―ホールディングスの新浪剛史会長が9月1日付で辞任。大麻の有害成分を含むサプリメントを米国から輸入した疑いが浮上し、8月に自宅の家宅捜索を受けた。9月30日には経済同友会代表幹事も辞任した。
アサヒビールが9月29日にランサムウェア攻撃を受け、受発注システムが停止。出荷や販売に大きな混乱が生じた。11月の売上は前年同月比で約2割減少。12月初旬にシステム受注を再開したが、復旧作業は年末まで長期化した。
【社会】
フジテレビの番組出演をめぐり女性とのトラブルが報じられていた元SMAPの中居正広氏が、1月23日に芸能界引退を発表。フジテレビなどが調査のため設置した第三者委員会は3月、「女性への性暴力があった」と認定した。フジ・メディア・ホールディングスは経営陣を刷新し、日枝久氏が取締役を退任した。
埼玉県八潮市で1月28日、県道の交差点の路面が大きく陥没。穴にトラックが転落し、運転手が死亡。救助活動中に消防隊員2人が負傷した。下水道管の破損が原因で、救助活動は難航。県内約120万人に洗濯や入浴の自粛や節水が要請されるなどし、インフラ老朽化が全国的な社会問題として注目される契機となった。
大阪・関西万博が4月13日に開幕。10月13日までの184日間、160以上の国と地域、国際機関が参加して大阪市此花区夢洲で行われた。目玉は、会場中央に設置された世界最大級の木造建築物「大屋根リング」。一般来場者は2557万人に達し、運営費が黒字の見通しとなった。

大阪・関西万博が開幕し、公式キャラクター「ミャクミャク」像の前で写真を撮る人たち=2025年4月13日、大阪市此花区(時事)
天皇・皇后両陛下は4月7日、太平洋戦争末期の激戦地、硫黄島を初訪問。戦後80年の節目として、6月に沖縄と広島、9月に長崎と慰霊の地を巡られた。
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が、19歳の誕生日である9月6日に行われた。

沖縄戦の犠牲者名が刻まれた「平和の礎(いしじ)」を訪れ、説明を受けられる天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=2025年6月4日、沖縄県糸満市の平和祈念公園(時事)
プロ野球の巨人で選手・監督として活躍し、「ミスタープロ野球」と呼ばれた長嶋茂雄さんが6月3日、肺炎のため死去した。89歳。
ブナ・コナラなど木の実の凶作を背景に、秋田県、岩手県、福島県を中心にクマの出没、被害が急増。環境省によると、4月から11月の人身被害者数(速報値)は230人、死者数は13人で、ともに過去最多を記録した。住宅地や学校周辺でも目撃・襲撃が発生。自治体が特例的に捕獲・駆除を許可する「緊急銃猟」が9月に始まり、12月上旬までに40件以上が実行された。
2022年7月の安倍晋三元首相銃撃事件で殺人罪などに問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判が10月28日、奈良地裁で始まった。山上被告は「私がしたことに間違いありません」と銃撃を認めた。被告人質問では、母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に入信して多額の献金を繰り返し、家族の生活が破綻して教団に恨みを抱いたことを背景に、「教団とつながりがあると思った安倍氏を狙った」と証言した。12月18日に検察は無期懲役を求刑して結審。1月21日に判決が言い渡される。
青森県東方沖で12月8日夜、マグニチュード(M)7.5の大規模な地震が発生。八戸市で震度6強を観測し、青森県を中心に少なくとも51人が負傷した。最大70センチの津波も観測された。気象庁は9日未明、今後さらに強い地震が起きる可能性があるとし、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表した。後発地震注意情報が出されたのは初めてのこと。16日午前0時に終了した。
【科学技術】
10月6日、2025年のノーベル生理学・医学賞に坂口志文(しもん)・大阪大学特任教授ら3人の受賞が決まった。過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を発見した功績。8日にはノーベル化学賞に、温暖化など地球環境問題の解決につながる多孔性材料を開発した北川進・京都大特別教授ら3人の受賞が決まった。授賞式は12月、ストックホルムで行われた。
【文化】
米テレビ・映画界の最優秀作を決めるゴールデングローブ賞の授賞式が1月5日(日本時間6日)にあり、真田広之さんがプロデュース、主演した『SHOGUN 将軍』がテレビドラマ部門の作品賞を受賞。また真田さんが主演男優賞、アンナ・サワイさんが主演女優賞、浅野忠信さんが助演男優賞に選ばれ、4冠を獲得した。
歌舞伎の名門に15歳で引き取られ、芸に全てをささげた男の一生を描いた映画『国宝』(李相日監督、6月6日公開)が大ヒット。11月25日に興行収入が173億7000万円に達して、邦画の実写作品の歴代最高興収を22年ぶりに更新した。
バナー写真:皇居での親任式のため、首相官邸を出る自民党の高市早苗総裁=2025年10月21日午後、東京・永田町(時事)