笹川平和財団が「アジア賢人会議」開催:ノーベル賞受賞者のユヌス氏ら招き
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会議には、チュアン・リークパイ氏(元タイ首相)、ノーベル平和賞受賞者のムハマッド・ユヌス氏(元バングラデシュ暫定政府首席顧問、グラミン銀行創設者)、ハッサン・ウィラユダ氏(元インドネシア外相)、ハルシャ・クマラ・ナバラトネ氏(スリランカの セバランカ財団会長)、白石隆氏(政策研究大学院大学名誉教授)らが出席し、非公開で率直な意見交換が行われた。

アジア賢人会議で議論する参加者ら=3月24日、東京都港区(笹川平和財団提供)
アジアの存在感が世界的に高まる一方で、経済格差や社会不安、地政学的緊張など複合的な課題が深まっていることに加え、SNSや人工知能(AI)などの急速な技術浸透により、若者の不安が既存の政治・社会システムへの直接的な不満として表れやすくなっている点が、共通の課題として挙がった。
さらに、「調和の共創」に向けて重層的な対話の重要性を再認識するとともに、多世代間の対話が不可欠であることが強調された。日本および笹川平和財団が果たしうる役割についても、活発に議論を交わした。
若い世代とも対話
ユヌス氏とウィラユダ氏は25日午前、都内で開いた公開対話セッション「次世代アジア平和構築フォーラム」に参加。平和活動に取り組むNGOの若手スタッフや大学生、高校生ら約35人と、アジアからどのような“新しい平和”が描けるかなどについて意見を交わした。
ユヌス氏は、インターネットなど高度通信技術により情報が瞬時に世界中を駆け巡る今こそ「人間の想像力(イマジネーション)が必要とされている」と強調。「現実を見て考えるのでなく、世界をどう変えればいいかを先に考えて現実を変えていってほしい」と若者を激励した。また、自らが考える持続可能な未来の課題として、二酸化炭素排出ゼロ、富の集中ゼロ、失業ゼロという「3つのゼロ」を提唱。若い世代の一人ひとりの行動変革を呼び掛けた。

参加者の若者からメッセージを受け取るモハマッド・ユヌス氏(右)=3月25日、東京都港区(笹川平和財団提供)
ウィラユダ氏は、発言冒頭にアジア・アフリカ諸国がまだ植民地だった1950年代の時代状況を振り返りつつ、「独立」「平和」の尊さを強調。自国の安全保障のためにも、それぞれが近隣諸国や域内の国々の平和構築、和平仲介に向け活動することの重要性を指摘した。また、自らが外交官として関わったフィリピン・ミンダナオ紛争の和平交渉(1993-1996)、インドネシアと東ティモール間の和解・調停プロセスについて、細かいエピソードも交えながら説明した。
取材・執筆:石井雅仁(nippon.com編集部)
バナー写真:若者たちとの対話セッションを終えたモハマッド・ユヌス氏(前列左)とハッサン・ウィラユダ氏(同右)=2026年3月25日、東京都千代田区(笹川平和財団提供)