江戸初期のマルチ・アーティスト「本阿弥光悦の大宇宙」展:蒔絵箱や書など国宝・重文が一堂に会す
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東京国立博物館(台東区上野公園)の平成館で特別展「本阿弥光悦(ほんあみ・こうえつ)の大宇宙」が開催されている。刀剣の研磨や鑑定などをなりわいとする家系に生まれた光悦自らが身に着け、その確かな審美眼を裏付ける腰刀「花形見」を約40年ぶりに公開。代表作である国宝「舟橋蒔絵硯箱(ふなばしまきえすずりばこ)」など、400年の時を超えて現代人の心を揺さぶる110点(うち国宝6件)もの名品が一堂に会す。
光悦は能書家として知られ、漆芸家、陶芸家としてもたぐいまれなる才能を発揮した、現代でいうマルチ・アーティスト。徳川家康から拝領した京都北部の地に職人や工匠などを率いて芸術村を築いたアート・プロデューサーでもあった。篤く信仰した日蓮の法華(ほっけ)宗がいかに芸術家の内面世界に影響したかを読み解きながら、巨星・光悦の実像に迫る。会期は3月10日まで、一部、展示替えがある。
光悦の漆芸の代表作とされる重文「花唐草文螺鈿(らでん)経箱」(京都・本法寺所蔵)
和歌を散らしたデザインが秀逸な国宝「舟橋蒔絵硯箱」(東京国立博物館所蔵)
表紙と本文に光沢のある文様を配した「光悦謡本(うたいぼん) 特製本」(法政大学鴻山文庫所蔵)。出版物からも優れた美的センスがうかがえる
俵屋宗達が下絵を描き、光悦が筆を振るった重文「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」(京都国立博物館所蔵)全巻を展示。複製が会場の天井を飾る
光悦の代表作をさまざまな角度やどアップで楽しめる8K映像 ©NHK
取材・文・写真=ニッポンドットコム編集部
バナー写真:14世紀の美濃の名工が手がけた短刀「花形見」。現存唯一の光悦所用の刀剣