五輪組織委の森会長、午後に辞意表明へ 後任は川淵氏で調整

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女性蔑視発言で批判を浴びた東京五輪・パラリンピックの森喜朗会長が12日午後、辞任する見通しだ。複数の関係者によると、周囲に辞意を伝えており、後任として調整が進む日本サッカー協会の川淵三郎元会長は、就任に前向きな姿勢をみせている。写真は昨年2月3日、川淵氏(右)の選手村村長就任で、一緒に並んで写真に収まる森氏。東京で撮影。(2021年 時事通信社)
女性蔑視発言で批判を浴びた東京五輪・パラリンピックの森喜朗会長が12日午後、辞任する見通しだ。複数の関係者によると、周囲に辞意を伝えており、後任として調整が進む日本サッカー協会の川淵三郎元会長は、就任に前向きな姿勢をみせている。写真は昨年2月3日、川淵氏(右)の選手村村長就任で、一緒に並んで写真に収まる森氏。東京で撮影。(2021年 時事通信社)

[東京 12日 ロイター] - 女性蔑視発言で批判を浴びた東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が12日午後、辞任する見通しだ。複数の関係者によると、周囲に辞意を伝えており、後任として調整が進む日本サッカー協会の川淵三郎元会長は、就任に前向きな姿勢をみせている。

森氏は東京五輪を成功させることが「最後のご奉公」とテレビ番組で語っていたが、7月の開会式まで半年を切る中で辞任する見通しとなった。新型コロナウイルスの感染が世界的に収束しない中、1年延期された五輪は開催へのハードルがまた1つ加わった格好だ。

組織委は12日午後、理事・評議員の合同会議を開く予定で、森氏はその場で辞意を表明するとみられる。

日本テレビによると、森氏は11日、同局の取材に対し、気持ちは12日に話す、問題をこれ以上長引かせるわけにはいかない、などと心境を語った。

後任は日本サッカー協会の元会長で、選手村の村長を務める川淵氏を充てる方向で調整しており、森氏は11日に川淵氏と面会した。

川淵氏は11日夕、記者団に対し、会長に選ばれればとした上で、「森さんの意向をくんで開催に向けて全力を尽くす」と語った。自身の家族は反対していると話す一方、「人生の最後の大役として、べストを尽くしたい」と述べた。

森会長は3日に開かれた日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会で、「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」などと発言して波紋を呼んだ。翌日に撤回、謝罪したものの、批判が収まる気配はなく、いったん幕引きを図ろうとした国際オリンピック委員会(IOC)は9日、「(発言は)完全に不適切であり、IOCの誓約に反している」と改めて声明を出した。

森氏の発言で五輪ボランティアの辞退者が相次ぎ、トヨタ自動車や日本生命などスポンサー企業からも厳しい意見が出ていた。

*第1段落の一部文言を補って再送します。

ロイター通信ニュース