TOPIX型限定のETF購入、個別銘柄への影響排除=日銀総裁

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3月22日、日銀の黒田東彦総裁はETFの買い入れ対象をTOPIX連動型のみに変更したことについて「個別銘柄に偏った影響ができるだけ生じないように、指数構成銘柄が最も多いTOPIX連動型のみにした」と説明した。金融政策決定会合を終えて、記者会見する総裁、19日撮影(2021年 時事通信)
3月22日、日銀の黒田東彦総裁はETFの買い入れ対象をTOPIX連動型のみに変更したことについて「個別銘柄に偏った影響ができるだけ生じないように、指数構成銘柄が最も多いTOPIX連動型のみにした」と説明した。金融政策決定会合を終えて、記者会見する総裁、19日撮影(2021年 時事通信)

[東京 22日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は22日、参院・財政金融委員会で、上場投資信託(ETF)の買い入れ対象をTOPIX連動型のみに変更したことについて「個別銘柄に偏った影響ができるだけ生じないように、指数構成銘柄が最も多いTOPIX連動型のみにした」と説明した。

これまでも同様の配慮からTOPIX連動型の買い入れを増やしており、指数別の買い入れ比率で85%程度に達していたと説明。今回、非常に大きな変更をしたというわけではないとも述べた。

古賀之士委員(立憲民主・社民)の質問に答えた。19日、日銀が金融政策の点検結果を発表すると日経平均株価や指数寄与度の大きいファーストリテイリングの株価が急落した。

黒田総裁は、ETF買い入れは現在の金融政策の枠組みの中で非常に大きな役割を果たしているとし、「現時点でETFの買い入れを止めるとか、売却を検討しているということは全くない」とも述べた。

日銀は金融政策決定会合後に公表した声明で長期金利の許容変動幅を上下0.25%程度と明確化。併せて連続指し値オペの導入を打ち出した。黒田総裁は「金利が上にはねることは一切起こらないようにする一方、若干下の方に外れても金融緩和を阻害することはない」と説明。「変動幅の明確化によって株価にマイナスの影響が出ることがないように、イールドカーブ・コントロールを実施していく」と語った。

麻生太郎財務相は、日銀が長期金利の変動幅を明確化したことについて「すごく大きいと思った」と述べた。政策点検結果について「適切な対応だと考えている」と語った。

(和田崇彦 編集:青山敦子)

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