政府の景気判断、3月は据え置き 自動車失速で「輸出」下方修正

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3月23日、 政府は3月の月例経済報告で景気の総括判断を前月から据え置いた。川崎港で2018年9月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
3月23日、 政府は3月の月例経済報告で景気の総括判断を前月から据え置いた。川崎港で2018年9月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 23日 ロイター] - 政府は23日、3月の月例経済報告で景気の総括判断を前月から据え置いた。項目別では、米国向け自動車関連財の増勢鈍化により「輸出」の判断を引き下げた。

総括判断は「新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さがみられる」とした。昨年4月以来10カ月ぶりに下方修正した2月の表現を維持した。

「輸出」は2月の「増加している」との判断を「このところ増勢が鈍化している」に引き下げた。輸出の下方修正は10カ月ぶり。自動車関連財の輸出について「米国内における自動車販売が感染拡大前の水準に戻りつつあることなどから頭打ち」とし、これを反映させた。

一方「業況判断」は2月の「非製造業を中心にこのところ慎重さがみられる」との表現を「厳しさは残るものの、持ち直しの動きがみられる」に上方修正した。2020年10-12月期の経常利益が前期比で増加したことなどを織り込んだ。「倒産件数」も、資金繰り支援の効果などから、2月の「このところ緩やかに減少している」から「減少している」に小幅上方修正した。

国内総生産(GDP)の過半を占める「個人消費」については、「このところ弱含んでいる」との判断を据え置いた。家電販売は前年を上回って推移しているが、新車販売が弱含んでおり、外食や交通機関の利用などが低調となっている。

(竹本能文)

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