日銀試算の需給ギャップ、昨年10─12月期は-2.01%

経済・ビジネス

日銀は5日、2020年10─12月期の需給ギャップがマイナス2.01%になったとの試算を発表した。写真は、日銀本店。2020年5月22日に撮影。(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
日銀は5日、2020年10─12月期の需給ギャップがマイナス2.01%になったとの試算を発表した。写真は、日銀本店。2020年5月22日に撮影。(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 5日 ロイター] - 日銀は5日、2020年10─12月期の需給ギャップがマイナス2.01%になったとの試算を発表した。3四半期連続のマイナスとなったが、マイナス幅は同7─9月期のマイナス3.37%から縮小している。海外経済の回復や国内経済活動の持ち直しなどが貢献したとみられている。

日銀試算の需給ギャップが3四半期連続でマイナスとなるのは、2014年4─6月期から16年7─9月期の10四半期連続以来。コロナ・ショック後の昨年4─6月期からマイナス圏で推移しているものの、経済活動の再開に伴って持ち直しが続いた。

内訳をみると、資本投入ギャップがマイナス1.31%、労働投入ギャップが同0.69%。いずれも前期の同2.12%、同1.25%からマイナス幅が縮小した。

需給ギャップの参考指標である短観の設備判断と雇用人員判断をもとにした「短観加重平均DI」(過剰-不足)をみると、10─12月期はマイナス3.08と、3四半期ぶりにマイナスに転換。2021年1─3月はマイナス5.08、同4─6月期はマイナス8.22とマイナス幅が拡大する見通し。企業が、設備や雇用の不足度合いが高まっていく方向でみていることを示している。

需給ギャップは日本経済の潜在的な供給力と実際の需要の差。日銀は、物価2%目標の実現にはプラスの需給ギャップの継続が重要とみている。国内総生産(GDP)から推計する内閣府に対し、日銀では、生産設備の稼働率や失業率・労働参加率などから試算している。

(杉山健太郎 編集:内田慎一)

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