福島原発汚染水の処理、「近日中に判断」と菅首相

政治・外交

4月7日 菅義偉首相は東京電力福島第1原子力発電所にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む水の処分方法について「近日中に決定したい」と述べた。写真は処理水を貯めた福島第1原発のタンク。3月1日、福島県大熊町で撮影(ロイター/Sakura Murakami)
4月7日 菅義偉首相は東京電力福島第1原子力発電所にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む水の処分方法について「近日中に決定したい」と述べた。写真は処理水を貯めた福島第1原発のタンク。3月1日、福島県大熊町で撮影(ロイター/Sakura Murakami)

[東京 7日 ロイター] - 菅義偉首相は7日、東京電力福島第1原子力発電所にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む水の処分方法について「近日中に決定したい」と述べた。全国漁業協同組合連合会の岸宏会長との会談後、記者団の取材に応じた。

汚染水の海洋放出は昨秋にも調整が進められたが、全漁連などから理解を得られず決定を先送りしていた。この日も全漁連側からは反対姿勢が改めて示された。ただ、政府が方針を決める場合には、漁業者・国民への責任ある説明、風評被害への対応、処理水の安全性の厳格な担保を求める発言もあったという。

菅首相は記者団に対し、「汚染水の処理は避けて通れない課題」とした上で、「風評被害は最小限にする努力が必要」と強調した。

会談に同席した梶山弘志経済産業相は、今回の会談で前進はあったかと記者団から問われ、「その言葉はまだ使えない」と慎重な姿勢を示した。ただ、処理水をためているタンクの容量に限界が近付いていることなどから「方針決定に残された時間は、そうない」と語った。

(山口貴也、清水律子)

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