海外投資ファンドの行動、日本の金融機関のリスクに=日銀リポート
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[東京 20日 ロイター] - 日銀は20日、金融システムの評価と安定確保への課題をまとめた「金融システムリポート」で、海外の金融システムとの結びつきが強まった結果、海外投資ファンドの資産売却などで日本の金融機関の市場リスクが増幅する度合いが高まっていると警鐘を鳴らした。
日銀は、米投資会社のアルケゴスが各国の大手金融機関に巨額の損失をもたらしていることを念頭に、ノンバンクが金融システムに及ぼす影響を分析した。
ノンバンクを巡っては、新型コロナウイルスの感染拡大で昨年3月に金融市場が動揺した際、ノンバンクによる資産売却が一因とされ、国際的な金融規制当局者の間で関心が高まっている。日銀はリポートで、2018年から海外投資ファンドと日本の金融機関の投資先が重複する度合いが急速に高まっていることを示した。
⾦融部⾨の資産規模に占めるノンバンク部⾨のシェアを他の主要国と⽐較すると、日本のノンバンク部⾨は相対的に⼩規模で、「⾜もとで国際的に関⼼が⾼まっている投資ファンド等は⽶欧対⽐で明確にプレゼンスが⼩さい」とした。ノンバンクから金融機関以外の主体への資金の流れは、日本は米国やドイツに比べて大きくないことも示された。
金融システムの総括判断は、新型コロナウイルス感染症が引き続き国内外の経済・金融面に大きな影響を及ぼしているものの、日本の金融システムは全体として安定性を維持しているとした。
日銀は、感染症が再拡⼤するなどの状況を想定しても、金融システムは「相応の頑健性を備えている」と指摘した。ただ、仮に国際⾦融市場が⼤幅かつ急激に調整する場合には、⾦融機関の経営体⼒が低下して⾦融仲介機能の円滑な発揮が妨げられ、実体経済の⼀段の下押し圧⼒として作⽤するリスクがあるとした。
*内容を追加しました。
(和田崇彦)
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