独憲法裁、EU復興基金を当面容認 反対派の差し止め請求退ける

[ベルリン 21日 ロイター] - ドイツ憲法裁判所は21日、新型コロナウイルス流行に伴う影響緩和に向けた7500億ユーロ(9000億ドル)規模の欧州連合(EU)復興基金を巡り、反対派による差し止め請求を退け、復興基金を当面容認する判断を示した。訴えそのものに対する審理は継続される一方、復興基金を承認した国内法案の大統領署名に向け、道が開かれた。

8人の裁判官のうち7人が今回の判断を支持。最終的な判断を下す時期については明らかにしなかったものの、判決を出すまで復興基金を差し止めることは、基金を一時的に容認するよりも潜在的な損害が大きいと指摘した。

憲法裁は3月、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」などから基金に反対する申し立てがなされたことを受け、基金を承認した法案にドイツ大統領が署名しないよう、一時的に命じていた。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は憲法裁の決定を歓迎。ツイッターで「欧州連合(EU)は前例のないコロナ禍に見舞われながらも、経済回復の軌道に乗っている」と投稿した。ドイツのメルケル首相も同様に歓迎の意向を示した。

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