ロシア各地でナワリヌイ氏支持者がデモ、1500人近く拘束

ロシアで4月21日、収監中の反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放と適切な治療を求め、各地で支持者らによる抗議集会が行われた。警察当局はデモ参加者1500人近くの身柄を拘束し、ナワリヌイ氏の最側近2人の身柄も一時拘束した。写真はモスクワで2019年9月撮影(2021年 ロイター/Shamil Zhumatov)
ロシアで4月21日、収監中の反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放と適切な治療を求め、各地で支持者らによる抗議集会が行われた。警察当局はデモ参加者1500人近くの身柄を拘束し、ナワリヌイ氏の最側近2人の身柄も一時拘束した。写真はモスクワで2019年9月撮影(2021年 ロイター/Shamil Zhumatov)

[モスクワ 21日 ロイター] - ロシアで21日、収監中の反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放と適切な治療を求め、各地で支持者らによる抗議集会が行われた。警察当局はデモ参加者1500人近くの身柄を拘束し、ナワリヌイ氏の最側近2人の身柄も一時拘束した。

プーチン大統領はこの日、議会で行った年次教書演説で、ロシアの「レッドライン(越えてはならない一線)」を超えないよう西側諸国に警告した一方、ナワリヌイ氏には言及しなかった。

ナワリヌイ氏(44)は収監先の刑務所で脚と背中の痛みを訴えたものの治療を拒否されたため3月31日にハンガーストライキに入り、健康状態が悪化。今週に受刑者用の病院に移送されたものの、支持者は同氏が腎不全や心不全を起こす恐れがあると懸念している。

米政府は先に、ナワリヌイ氏が収監中に死亡すれば「結果を伴うことになる」と警告している。

ナワリヌイ氏支持者の呼び掛けに応じ、21日は首都モスクワやサンクトペテルブルク、ウラジオストクなど各地でデモが行われ、数千人が参加。モスクワの集会にはナワリヌイ氏の妻ユリア氏も参加した。

だが、集会が予定されていたモスクワ中心部の広場は警察当局に封鎖されるなど、厳戒態勢が敷かれた。

モスクワでは、集会の数時間前にナワリヌイ氏のユーチューブチャンネル出演者の1人であるリュボフ・ソボル氏と、ナワリヌイ氏の広報担当者であるキラ・ヤーミッシュ氏が自宅近くで拘束された。

ソボル氏はその後釈放されたが、ヤーミッシュ氏は抗議活動を扇動したとして10日間の収監が決まった。

ミシェル欧州理事会議長は2人の拘束について「嘆かわしい」と語った。

警察はモスクワで6000人が違法な抗議活動に参加したとしているが、ナワリヌイ氏のユーチューブチャンネルは参加者数がこの10倍だったとしている。

人権監視団体「OVD-Info」によると、警察当局はこの日、1496人の身柄を拘束した。このうち662人がサンクトペテルブルクで拘束されたという。

米上院外交委員会のメネンデス委員長は、ナワリヌイ氏に医療処置を提供するようロシア政府に求めるとともに、ロシアへの制裁発動を呼び掛けた。

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