米新規失業保険申請、54.7万件に改善 2週連続で70万件下回る

米労働省が22日に発表した4月17日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は54万7000件と、前週の58万6000件から改善し、昨年3月中旬以来約1年ぶりの低水準となった。写真はケンタッキー州で15日撮影(2021年 ロイター/Amira Karaoud)
米労働省が22日に発表した4月17日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は54万7000件と、前週の58万6000件から改善し、昨年3月中旬以来約1年ぶりの低水準となった。写真はケンタッキー州で15日撮影(2021年 ロイター/Amira Karaoud)

[ワシントン 22日 ロイター] - 米労働省が22日に発表した4月17日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は54万7000件と、前週の58万6000件から改善し、昨年3月中旬以来約1年ぶりの低水準となった。経済活動再開に伴い抑えられてきた需要が戻る中、解雇が減少していることを示唆し、4月の雇用統計も就業者数が大幅に増えるとの見方を後押しした。

市場予想は61万7000件増だった。前週の申請件数は前回発表から1万件上方改定された。

新型コロナウイルス感染の第1波が到来した2020年3月に、感染拡大を抑えるためレストランやバーなど生活に必須でない事業が強制閉鎖して以来、初めて2週連続で70万件を下回った。テキサス州とニューヨーク州で大幅に減少した。

自営業者や単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」などに適用されるパンデミック失業支援(PUA)を含む申請件数は69万9798件と、パンデミック開始以来初めて70万件を下回った。

初回給付以降も継続して失業保険を受け取った人は10日までの1週間で3万4000人減少し367万4000人。

今回の失業保険統計は4月の雇用統計と調査期間が重なる。失業保険申請件数は3月中旬時点で76万5000件だった。

申請件数が最近減っていることから、4月の雇用統計で就業者数が大幅に増えるとの見方が高まるものの、エコノミストは労働市場の実態を把握するために、州の失業保険プログラムと政府による失業保険の上乗せ給付プログラム双方の受給者を注視している。

シティグループのエコノミスト、アンドリュー・ホレンホースト氏は「雇用が加速するにつれ、全てのプログラムで受給者は減少傾向にあるようだが、失業者の給付資格期間が終わることで受給者が減っている面もある。しかし向こう数カ月間は好調な雇用統計が続くだろう」と話した。

また、ブリアン・キャピタルのシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は、申請件数のデータは4月の雇用統計が再び好調であることを示していると指摘。「申請件数の減少は新型コロナを巡る制限措置が引き続き緩和される中で、経済と労働市場が著しく改善していることを示唆している」と述べた。

一方、センチュリー・ファウンデーションのアンドリュー・ステットナー上級研究員は「新たな解雇は大幅に減少しているが、安定的な労働市場を連想させる水準にはまだ達していない」と指摘。「問題は失業者が再就職しないことではなく、失業者数が適切な求人数をはるかに上回っていることだ」とした。

3月の雇用統計では就業者数が91万6000人増え、7カ月ぶりの大幅な伸びだった。ただ雇用水準は20年2月のピークと比べ依然840万人下回っている。

*情報を追加します

(c) Copyright Thomson Reuters 2021. Click For Restrictions -
https://agency.reuters.com/en/copyright.html

ロイター通信ニュース