米製造業PMI、4月60.6と過去最高 需要急増で供給の逼迫進む

4月23日、HSマークイットが公表した4月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は60.6と、統計を開始した2007年5月以来の高水準を付けた。ただ、経済活動の再開に伴い国内需要が急増しており、製造業者にとって原材料などの調達がますます難しくなっている。写真は2019年11月、米サウスカロライナ州の自動車組み立て工場で(2021年 ロイター/Charles Mostoller)
4月23日、HSマークイットが公表した4月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は60.6と、統計を開始した2007年5月以来の高水準を付けた。ただ、経済活動の再開に伴い国内需要が急増しており、製造業者にとって原材料などの調達がますます難しくなっている。写真は2019年11月、米サウスカロライナ州の自動車組み立て工場で(2021年 ロイター/Charles Mostoller)

[ワシントン 23日 ロイター] - IHSマークイットが23日に公表した4月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は60.6と、統計を開始した2007年5月以来の高水準を付けた。ただ、経済活動の再開に伴い国内需要が急増しており、製造業者にとって原材料などの調達がますます難しくなっている。

市場予想は60.5で、3月の確報値は59.1だった。指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。製造業は米経済の11.9%を占める。

IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「新型コロナウイルス抑制策の緩和、迅速なワクチン接種、政府の景気刺激策などで需要が促進され、米経済はエンジン全開で力強く第2・四半期に入った」と述べた。

需要が急増する中、供給が逼迫している。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)による工場や供給業者の労働力不足が供給の混乱につながり、原材料などの価格が上がっている。

仕入価格を示す指数は08年7月以来の高水準を付けた。IHSは「深刻な供給不足や輸送費の急上昇」を理由として挙げた。

投入価格が上がり続けていることは、今年の物価が米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%を超える一因となる見込みだ。パウエルFRB議長は、供給網が適応し効率的になると述べ、長期にわたる物価の高止まりは避けられると自信を示している。

原材料不足は自動車業界で最も顕著に現れている。世界的な半導体不足により自動車の組立工場は生産削減を余儀なくされている。IHSは供給不足により「7年超ぶりの規模」の未完成品が積み上がっていると指摘した。

新規受注指数も上昇し、結果として雇用ペースも加速した。

サービス業PMIは63.1と、統計を開始した09年10月以来の高水準を付けた。3月は60.4だった。IHSは、米経済の3分の2以上を占めるサービス業が伸びた理由として「封鎖措置が緩和される中で、顧客の需要が増え、多くの事業が営業を再開したこと」を挙げた。

製造業とサービス業がともに好調だったことで、双方を合わせた米総合PMIは62.2と統計を開始した09年10月以来の高水準を付けた。3月は59.7だった。

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