中国華融資産管理、20年度決算発表を再延期

中国国有の不良債権受け皿会社、中国華融資産管理(華融)は、4月30日に予定していた2020年度決算発表を延期すると明らかにした。写真は、同社のロゴ。2021年4月16日に撮影。(2021年 ロイター/Thomas Peter)
中国国有の不良債権受け皿会社、中国華融資産管理(華融)は、4月30日に予定していた2020年度決算発表を延期すると明らかにした。写真は、同社のロゴ。2021年4月16日に撮影。(2021年 ロイター/Thomas Peter)

[香港 26日 ロイター] - 中国国有の不良債権受け皿会社、中国華融資産管理(華融)は、4月30日に予定していた2020年度決算発表を延期すると明らかにした。会計監査のために、より多くの時間が必要だと説明している。決算発表の延期は2度目となる。

当初、3月31日に20年度決算の発表を予定していたが、「関連取引」の未了を理由に延期。これを受けて、香港市場で同社株は売買停止となり、債務不履行懸念で社債価格は急落した。当局が支援に乗り出し、投資家の懸念はいったん和らいだ。

匿名の関係筋は、華融は来月にも決算発表する可能性があり、中間決算が予定されている8月末までに当局に提出することは間違いないと述べた。華融のコメントは得られていない。

華融は25日の声明で、平常通り事業を継続していると説明している。

香港証券取引所は企業に対して、決算の3月31日までの提出、4月30日までの公表を義務付けている。香港証券取引所はコメントを拒否している。

投資の失敗や積極的な拡大戦略が裏目に出て、華融は2018年以降、リストラ協議を進めている。元会長、頼小民被告は今年1月、収賄などの罪で死刑判決を言い渡された。

関係筋によると、当局は華融への融資を停止しないよう一部の銀行に要請した。同社のキャッシュフローを安定させ、影響が市場全体に波及しないことを防ぐためという。

ANZリサーチはリポートで「『不良債権』管理会社が自ら不良債権化してしまえば、金融システムのぜい弱性を疑うに値する」と指摘。ただ、中国の循環的な見通しでは、銀行システムの信用力が大幅に低下するとは考えられず、中国には秩序だった方法で不良債権を処理するための資本があるとしている。

*内容を追加しました。

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