EU復興基金、5年で成長率1.5─4.1%押し上げ=S&P

S&Pグローバルは27日、欧州連合(EU)の7500億ユーロ規模の復興基金について、今後5年間でEUの成長率を1.5─4.1%押し上げ、債務水準が最も高い一部諸国の格付けを支えるとの見方を示した。ブリュッセルのEU本文で3月撮影。(2021年 ロイター/Yves Herman)
S&Pグローバルは27日、欧州連合(EU)の7500億ユーロ規模の復興基金について、今後5年間でEUの成長率を1.5─4.1%押し上げ、債務水準が最も高い一部諸国の格付けを支えるとの見方を示した。ブリュッセルのEU本文で3月撮影。(2021年 ロイター/Yves Herman)

[ロンドン 27日 ロイター] - S&Pグローバルは27日、欧州連合(EU)の7500億ユーロ規模の復興基金について、今後5年間でEUの成長率を1.5─4.1%押し上げ、債務水準が最も高い一部諸国の格付けを支えるとの見方を示した。

S&Pのエコノミストと国債格付けアナリストはリポートで「EUレベルのこの計画は各国の信用格付けにプラスとなる」と指摘。「ただ各国政府が構造改革を実行できるかどうかは、(新型コロナウイルスの)大流行で悪化した経済不均衡の是正次第だ」と分析した。

補助金の給付を受けるためにEU加盟国は資金の37%を気候変動対策に、20%を経済のデジタル化に充てる計画を提出する必要がある。

S&Pは予定された資金の91%が活用される最善のシナリオの場合、EUの成長率は2026年までに合計で4.1%押し上げられると予想した。

しかし通常のEUの資金計画では平均して利用可能な額の51%しか使われていない。その場合効果は1.5%にとどまるが「国によって大きな差が出る」という。

EU復興基金は従来の構造基金と比べて柔軟に活用することが可能なため、各国の債務が急拡大している時期に全体として格付けを支援するとの見方を示した。

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