中国、周辺空海域での米軍の活動に自制を要求

中国国防省は4月29日、米軍が中国周辺の空海域で今年に入って活動を活発化しているとして、前線部隊の自制を求めた。写真は南シナ海を航行する米・豪の巡洋艦など、提供写真。2020年4月撮影(2021年 ロイター/Petty Officer 3rd Class Nicholas Huynh/U.S. Navy)
中国国防省は4月29日、米軍が中国周辺の空海域で今年に入って活動を活発化しているとして、前線部隊の自制を求めた。写真は南シナ海を航行する米・豪の巡洋艦など、提供写真。2020年4月撮影(2021年 ロイター/Petty Officer 3rd Class Nicholas Huynh/U.S. Navy)

[北京 29日 ロイター] - 中国国防省は29日、米軍が中国周辺の空海域で今年に入って活動を活発化しているとして、前線部隊の自制を求めた。

中国はこれまで度々、南シナ海や東シナ海、台湾海峡での米軍の活動が地域の不安定化の主因になっていると批判してきた。米国はこれら地域で航行の自由があるとの立場を示している。

中国国防省の呉謙報道官は記者向けブリーフィングで、バイデン大統領の1月の就任以来、中国周辺の海域での米軍艦船の航行が20%、米偵察機の活動は40%、それぞれ増えたと主張。

「われわれは米国に前線部隊を厳重に自制し、『海空遭遇時における安全のための行動規則』や『国際海上衝突予防規則』を含む規制を順守し、危険な事故の再発を防止するよう求める」と述べた。

米側からコメントは得られていない。

米海軍は今月、ミサイル駆逐艦「マスティン」が中国空母「遼寧」の演習を見守る写真をウェブサイトで公開する異例の措置を取った。

呉報道官はマスティンは中国側の演習に介入し、中国の艦艇の航行の自由および乗員の安全を脅かしたと強調。米国側に正式に抗議したと述べた上で、遼寧は今後、中国沿岸からさらに遠い海域で定期的に演習を行うと語った。

バイデン米政権が、予算教書で求めた国防総省予算7150億ドルの大半を中国への対応で使う方針を示したことについて、呉報道官は一部の米当局者には「被害妄想」があるとし、中国からの脅威に関する虚偽の主張は自己実現的な予言になりかねないと述べてけん制した。

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