米金融市場は「不均衡」、緩和縮小の議論開始を=ダラス連銀総裁

4月30日、米ダラス地区連銀のカプラン総裁は株式相場の高止まりや住宅市場の歴史的な好況など、米国の金融市場に行き過ぎや不均衡が認められるとした上で、量的緩和の調整について議論を始めることが適切という考えを示した。写真は2019年10月、サンフランシスコで会議に出席するカプラン総裁(2021年 ロイター/Ann Saphir)
4月30日、米ダラス地区連銀のカプラン総裁は株式相場の高止まりや住宅市場の歴史的な好況など、米国の金融市場に行き過ぎや不均衡が認められるとした上で、量的緩和の調整について議論を始めることが適切という考えを示した。写真は2019年10月、サンフランシスコで会議に出席するカプラン総裁(2021年 ロイター/Ann Saphir)

[30日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のカプラン総裁は30日、米国の金融市場に不均衡が認められる上、米経済は予想以上に迅速に回復しているとし、量的緩和縮小に関する議論を開始するよう呼び掛けた。

オンライン講演で、「歴史的な」株価の高騰、信用スプレッドのタイト化、住宅価格の高騰などを取り上げ「金融市場に行き過ぎや不均衡が観測される」と指摘。月額1200億ドルの債券購入プログラムの調整に関する議論を「できるだけ早い機会に開始することが適切だ」と述べた。

また、米連邦準備理事会(FRB)は来年にも利上げを開始する必要があるとの見方を強調。6.5%としているカプラン総裁自身の米国内総生産(GDP)成長率見通しには「上振れ」リスクがあるほか、現在6%の失業率は年末までに4%に改善するとし、債券購入枠の縮小開始に向けたハードルへ到達する時期はわずか数カ月前の想定よりも早まっているとした。

インフレ率については、全国的なロックダウン(都市封鎖)措置下で非常に低調だった昨年から今後数カ月で急上昇し、2.75%以上になると予想。その後、第4・四半期には伸びが一部鈍化するとした。

カプラン総裁は「ベース効果の一部は解消されるだろう」とした上で、個人消費の急拡大や供給不足、材料費の上昇、労働力不足、財政支出などの「ひずみがないとは言えない」と語った。

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