バークシャー、第1四半期は20%営業増益 66億ドルの自社株買い

5月1日、著名投資家ウォーレン・バフェット氏(写真)が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが発表した第1・四半期決算は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより最も打撃を受けた前年同期から改善した。2018年5月の株主総会で撮影(2021年 ロイター/Rick Wilking)
5月1日、著名投資家ウォーレン・バフェット氏(写真)が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが発表した第1・四半期決算は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより最も打撃を受けた前年同期から改善した。2018年5月の株主総会で撮影(2021年 ロイター/Rick Wilking)

[1日 ロイター] - 著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが1日発表した第1・四半期決算は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)により最も打撃を受けた前年同期から改善した。同社は66億ドルの自社株買いを実施したことも明らかにした。

営業利益は70億2000万ドル(クラスA株1株当たり約4600ドル)と、前年同期の58億7000万ドルから20%増加。鉄道大手バーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)や自動車保険のガイコなど傘下に多くの事業会社を持つバークシャーが、コロナ禍の最悪期を脱した可能性を示す内容となった。

バークシャーは飛行機部品のプレシジョン・キャストパーツなどは依然として苦戦しているものの、多くの事業で収益の「大幅な拡大」が見られているとした。

エドワード・ジョーンズのアナリストで、バークシャーの投資判断を「バイ」としているジム・シャナハン氏は「決算は非常に好調だった」と指摘。「ワクチン接種の進展や全般的な経済回復がバークシャーのフランチャイズ全体に反映されている」と語った。

バークシャーは、特別買収目的会社(SPAC)の急増やバリュエーションの高まりで企業買収が困難になる中、積み上がった手元資金を活用し第1・四半期に66億ドルの自社株買いを実施した。

さらに3月31日から4月22日にはバークシャーの株式数が減少したことから追加の自社株買いが実施されたとみられ、規模は12億ドルを超えた可能性がある。2020年の自社株買い総額は247億ドルだった。

バークシャーに長年投資するガードナー・ルッソ・アンド・クインのパートナー、トム・ルッソ氏は「バフェット氏がバークシャーの評価指標を過度に厳しくしておらず、バークシャーの将来に自信を持っていることを反映している」と語った。

第1・四半期の純損益は117億1000万ドル(クラスA株1株当たり7638ドル)の黒字。前年同期は497億5000万ドル(同3万0653ドル)の赤字だった。

前年同期の決算には世界的な株価下落を受けた556億2000万ドルの投資・デリバティブ取引関連損失が含まれている。

3月末時点の手元資金は1454億ドル。株式の売却が取得を39億ドル上回ったことなどが要因。

保有するアップル株とバンク・オブ・アメリカ株の評価額はそれぞれ1109億ドル、400億ドルとなった。

バークシャーの製造業部門は税引き前利益が15%増加した。

自動車保険のガイコは引受事業の利益が4%増加。鉄道事業のBNSFの売上高はほぼ横ばいだった。

一方、飛行機部品のプレシジョンは36%の減収となった。バークシャーは2021年に航空機製造が大幅に増加する可能性は低いとし、同部門の収益は「比較的低水準」にとどまるとの見通しを示した。

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