米NY市長選、黒人元警官が民主党予備選勝利 2位候補が敗北宣言

米ニューヨーク市長選の民主党予備選挙で、元警察官でブルックリン区長のエリック・アダムス候補(60)の勝利が決定した。写真はアダムス氏。6月24日撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)
米ニューヨーク市長選の民主党予備選挙で、元警察官でブルックリン区長のエリック・アダムス候補(60)の勝利が決定した。写真はアダムス氏。6月24日撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)

[7日 ロイター] - 米ニューヨーク市長選の民主党予備選挙で、元警察官でブルックリン区長のエリック・アダムス候補(60)の勝利が決定した。2位に付けていたキャサリン・ガルシア前市衛生局長が7日、敗北を認めた。

11月の本戦で勝利すれば、アダムス氏は黒人として史上2人目のニューヨーク市長となる。選挙戦では治安を改善し、労働者階級の発言権を確保すると公約。市内では銃撃事件の増加が報じられ、犯罪対策への関心が高まる中、アダムス氏のメッセージが有権者をひき付けたとみられる。

犯罪対策を公約の中心に据えると同時に、自身は「ブルーカラー」労働者だとし、労働者階級の民主党員はこれまで、デブラシオ現市長を含む党内のリベラル派から無視されてきたと主張した。

アダムス氏は7日、CNNとのインタビューで「米国全体に向けた真のメッセージがある」とし、「民主党は米国の労働者層のために真の変革を起こす用意が整っている」と指摘。また、治安の重要性も改めて訴えた。

6日公表された集計結果によると、依然8000票弱の不在者投票が集計されていないものの、アダムス氏がガルシア氏を約1%ポイント(8426票)リードしている。

ガルシア氏は「今回の選挙ではガラスの天井を破り、ニューヨーク市初の女性市長選出に限りなく迫った」と敗北を認めつつも、「われわれはその天井にひびを入れた。今にも破れる状態にある」と述べた。

3位候補の女性弁護士でリベラル派のマヤ・ワイリー氏も敗北を認めた。ワイリー氏は警察予算を10億ドル削減し、社会福祉に回す案を支持。これとは対照的に、アダムス氏は、警察予算削減を訴える運動に明確に反対し、警察予算を増やしても組織全体の偏見は減らせると主張した。

民主党のリベラル派の急先鋒に立つオカシオコルテス下院議員などが支持したワイリー氏が3位に終わったことは、NY市の左派の勢いを削ぎかねない。ただ、市の会計監査官や市政監督官、マンハッタン地区検事などの主要ポストには急進派が選ばれたとの指摘も聞かれた。

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