五輪=脳損傷からサーフィン銅のライト「自分を否定しなかった」

東京2020

東京五輪で新競技に採用されたサーフィン男子に出場したオーウェン・ライトは脳損傷の重傷を乗り越え、27日に銅メダルを獲得するカムバックを果たした。代表撮影(2021年 ロイター)
東京五輪で新競技に採用されたサーフィン男子に出場したオーウェン・ライトは脳損傷の重傷を乗り越え、27日に銅メダルを獲得するカムバックを果たした。代表撮影(2021年 ロイター)

[一宮(日本) 27日 ロイター] - 東京五輪で新競技に採用されたサーフィン男子に出場したオーウェン・ライト(オーストラリア)は脳損傷の重傷を乗り越え、27日に銅メダルを獲得するカムバックを果たした。

ライトは2015年のトレーニング中に脳に外傷を負った。脳に出血があり、記憶障害が出て、歩行も困難になるなど厳しい状況に直面したが、その苦境を乗り越えてのメダル獲得となった。

ライトは最もつらい時期をどう克服したかについて、報道陣に「自分を否定しなかった。こうなることを想像したし、だからこそ、おそらくこの場所に立っている。メダルを首にかけている自分を想像した。どうなるか分からなかったが、そうなってほしいと強く願った」と振り返った。

銅メダルのかかった3位決定戦については「本当にすさまじかった。国中が応援してくれているような気がしたし、最後の10秒、20秒までもつれ込むようなタフな状況だった」と語った。

サーフィンを五輪の種目にするという話を聞いた当初は冷ややかに見ていたというライトだが、元陸上女子400メートル金メダルのキャシー・フリーマン氏を筆頭にオーストラリア・スポーツ界のレジェンドたちとの出会いにより考えが変わったという。

ライトは「われわれは五輪の意味をよく理解していなかったし、一度も参加したことがなく、完全な部外者だった。それから過去の五輪王者たちと会う機会があり、話を聞いたことで急激に変化した。話を聞いて泣いた。彼らがどれほどの情熱と誇りを持ち、その意味の大きさを知ることで変わった。それで五輪の夢に火がついた」と力を込めた。

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