五輪取材ノート:ボクシング会場に響く大声援、無観客が追い風に

東京2020

東京・墨田の両国国技館で行われているボクシングは、会場に観客のいないことが米国や中南米の選手に追い風となっている。写真は米国のデューク・レーガン(右)。7月24日、東京で撮影(2021年 ロイター/Michael Madrid-USA TODAY)
東京・墨田の両国国技館で行われているボクシングは、会場に観客のいないことが米国や中南米の選手に追い風となっている。写真は米国のデューク・レーガン(右)。7月24日、東京で撮影(2021年 ロイター/Michael Madrid-USA TODAY)

[東京 30日 ロイター] - 東京・墨田の両国国技館で行われているボクシングは、会場に観客のいないことが米国や中南米の選手に追い風となっている。自国で開催したとき並みの声援が、2階席にいるチームメイトから静寂を破って飛んでくる。

特にチームのきずなが強いのは米国だ。28日に行われた男子フェザー級のデューク・レーガンの試合では、相手のカザフスタン選手が気の毒なくらい米国側の声援が熱かった。

「デューク、お前は強すぎる!」、「スピードだ!」、「あと30秒!」──3回のラウンド中、喉をからしながらチームメイト4、5人が声援を送り続けた。

ブラジル、コロンビア、アルゼンチン、メキシコ、エクアドルといった中南米の国々も同じく熱い。

対照的なのが、ロシアやカザフスタン。試合中に聞こえてくるのはパンチの鈍い音とリングサイドのコーチの声ぐらいだ。それがかえって静寂を引き立たせる。

勝利した米国のレーガンは試合後のインタビューで、応援について聞かれるとうれしそうにこう答えた。「みんな聞こえたよ。家族が来られないだけ、チームメイトの応援はモチベーションとエネルギーをくれる」。

(金昌蘭)

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