鉱工業生産7月は1.5%低下、自動車減産で2カ月ぶりマイナス=経産省

経済産業省が31日公表した7月の鉱工業生産指数速報は98.1と、前月比1.5%低下し、2カ月ぶりのマイナスとなった。写真は横浜で2017年1月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
経済産業省が31日公表した7月の鉱工業生産指数速報は98.1と、前月比1.5%低下し、2カ月ぶりのマイナスとなった。写真は横浜で2017年1月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 31日 ロイター] - 経済産業省が31日公表した7月の鉱工業生産指数速報は98.1と、前月比1.5%低下し、2カ月ぶりのマイナスとなった。自動車などの減産が響いた。ロイターの事前予測調査では同2.5%低下が予想されていた。4―6月の平均97.7は上回った。

基調判断は「持ち直している」で据え置いた。

<半導体不足で自動車・エアコン減産>

自動車、リチウムイオン電池、エアコン、フェノール、アセトンなどの生産が減少した。自動車とエアコンは、半導体など部材不足が響いた。リチウム電池は海外需要減で出荷が減少した。

一方、増産されたのは半導体製造装置や金型、半導体メモリーなど。

<下振れ懸念>

企業の生産計画から集計する予測調査は8月が前月比3.4%上昇 9月が前月比1.0%上昇だった。企業の生産計画の上振れ傾向を補正した8月の試算値は同0.1%上昇だった。

8月の生産予測で、上昇寄与が大きいのは生産用機械、化学工業など。9月は化学工業、自動車など輸送機械。

経産省では「下振れ懸念がある」とみており、調査時点で「変異株による国内外経済への影響、半導体不足や8月下旬の東南アジアでの経済封鎖による部材調達が困難な状況は十分反映されていない可能性がある」(幹部)という。

半導体不足の影響は幅広く、7月は「ガス温水給湯器や風呂釜の在庫が、半導体不足の影響で取り崩された」(幹部)という。

*経産省の発表資料は以下のURLでご覧ください。

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html

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