アップル、決済システムの義務付け緩和 日本の公取と合意
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[東京 2日 ロイター] - 米アップルは1日、アプリ開発業者に課していた決済システムの利用義務を一部緩和すると発表した。開発業者の事業を制限している疑いがあるとして調査を進めていた日本の公正取引員会は、審査の終了を発表した。
アップルは、2022年初めから世界で「アップストア」の規約を更新する。書籍や音楽、動画などのコンテンツ閲覧アプリの提供者に、自社サイトへのリンクを設置することを認める。ネットフリックスのようなアプリの提供者は利用者を自社サイトへ誘導し、アップルの決済システムを介さず直接課金できるようになる。
しかし、アプリ内で他の決済方法を使用することは引き続き認めない。人気ゲーム「フォートナイト」を開発する米エピックゲームズや音楽配信のスポティファイ、出会い系アプリを手がける米マッチ・グループは、この慣習の廃止を求めている。
スポティファイは「今回の対応は限定的で、我々が求める問題のすべては解決しない」との声明を出した。
アップルが15─30%の手数料を課す決済システムの利用を義務付けていることには各国で批判が出ており、日本の公取が独占禁止法違反の疑いで2016年から調査を進めていた。
公取は2日、改善を確認したとして審査の終了を発表した。ただし、今回の調査対象は閲覧アプリのみでゲームアプリは含まれていない。公取によると、アップルが閲覧アプリではないと判断すれば、リンクの設置が認められない可能性もあるという。
アップルの発表によると、コンテンツ閲覧アプリの開発業者は、利用者がアカウントを設定または管理できるように、アプリ内に自社ウェブサイトへのリンクを設置することが可能になる。
アップストアの現在の規約は、開発業者にアップルの決済システムを使ったアプリ内課金を義務付けている。
日本の当局との合意に基づくものだが、「アップルはこの変更を、アップストア上の世界中の全てのリーダーアプリに適用する」と表明した。
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