午後3時のドルは110円付近、日本の政局より米雇用統計に関心

9月3日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時と比べ、若干ドル高/円安の110円付近。写真は米ドル紙幣。2011年8月撮影(2021年 ロイター/Yuriko Nakao)
9月3日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時と比べ、若干ドル高/円安の110円付近。写真は米ドル紙幣。2011年8月撮影(2021年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 3日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時と比べ、若干ドル高/円安の110円付近。菅首相が総裁選への出馬を断念したとの報道が伝わると、小幅にドル高/円安となったが、米雇用統計を今夜に控えて、新規ポジションの構築が手控えられたため、ドル/円の反応は限られた。

菅首相の総裁選不出馬報道を受け、ドル/円は110.07円まで強含んだが、その後はこう着状態となった。

FXcoin取締役の上田眞理人氏は「きょうの外為市場は8月の米雇用統計待ちとなっており、為替関係者100人に聞けば、100人が日本の政局より雇用統計が大事と言うだろう。このため無駄なポジション取りは手控えられ、ドル/円の反応も限定的だった」。

過去を振り返っても、日本の政治が円相場に中長期的な影響を及ぼすことはほぼなかった。今回も同パターンになると上田氏は予想する

三菱UFJモルガンスタンレー証券・チーフ為替ストラテジスト、植野大作氏は、「株式市場では日経平均が大きく値上がりするなど影響が大きいが、マーケットによって政治ネタに対する反応には温度差がある。菅首相が辞任し首相が変わったとしても、直接的に日本の金融政策に大きな変更がある可能性は低く、為替マーケットでは反応が薄いようだ」という。

8月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びが一定水準を超えれば、早期テーパリングもあり得るとの見方が出ている。

米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は8月27日、8月の米雇用統計で少なくとも85万人の雇用増が確認されれば、テーパリング(量的緩和の縮小)開始が可能になるとの見方を示した。市場では85万人が意識されている。

ユーロ/ドルは一時1.1884ドルまで上昇し、8月4日以来の高値をつけた。

ユーロ/円は一時130.74円まで上昇し、7月13日以来の高値を付けた。

欧州連合(EU)統計局が2日発表した7月のユーロ圏生産者物価指数(PPI)が前月比2.3%上昇、前年比12.1%上昇と、市場予想を上回ったことで、欧州中央銀行(ECB)が量的緩和の縮小について、より積極的になるとの見方がユーロの下支えとなっている。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 109.99/01 1.1877/81 130.66/70

午前9時現在 109.93/95 1.1871/75 130.53/57

NY午後5時 109.92/95 1.1873/77 130.52/56

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