日経平均は5連騰、菅首相退陣意向で2万9000円回復 TOPIXは年初来高値

経済・ビジネス

9月3日、東京株式市場で日経平均は上値を追い、5連騰となった。写真は東証、2020年10月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
9月3日、東京株式市場で日経平均は上値を追い、5連騰となった。写真は東証、2020年10月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 3日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は上値を追い、5連騰となった。菅首相の退陣意向が伝わったことを受けて相場付きが一変、終値で6月28日以来、約2カ月ぶりに2万9000円台を回復した。TOPIXは一時年初来高値(2013.71ポイント=3月19日)を更新。1991年4月以来、約30年ぶりの高水準で推移した。

米雇用統計の発表を控えた週末で、前日までの勢いが止まるとの見方があったものの、想定外の材料が飛び出したことで上げに弾みが加わった格好。東証1部の売買代金は3兆円を超えるなど商いも膨らんだ。

2日米国株式市場はS&P総合500種指数とナスダック総合指数が最高値を更新。ダウ工業株30種も上昇。新規失業保険申請件数の改善も相場を後押しした。これを受けて日本株は堅調にスタート。買い一巡後は伸び悩む場面があったが、菅首相退任の意向が伝わり、後場に入って上げ幅を拡大、きょうの高値近辺で大引けた。

これまでコロナ禍に対する懸念に加え、政治リスクも上値を抑える要因となっていたものの「首相交代によってコロナ対策に新たな一手が打ち出されるとの期待から、閉塞感が払しょくされた」(野村証券・ストラテジストの澤田麻希氏)との声も聞かれ、テクニカル面でもこれまでの下降トレンドをブレークする格好となった。

市場では「日本株の出遅れはコロナ禍への対応の遅れではなく、政治リスクが頭を抑えていたことがはっきりした。首相交代が出遅れ修正につながるとともに、日経平均が2万8000円を割り込むような下落は当面なくなりそうだ」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)との声も聞かれる。

TOPIXは1.61%高。東証1部の売買代金は3兆2808億9700万円と商いが膨らんでいる。東証33業種では、鉄鋼、電気機器をはじめ全業種が上昇した。個別では、トヨタ自動車など主力銘柄が総じて堅調。東京エレクトロンなど半導体関連株が買われたが、JR東日本はさえない。

東証1部の騰落数は、値上がり1768銘柄に対し、値下がりが343銘柄、変わらずが77銘柄だった。

終値 前日比 寄り付き    安値/高値  

日経平均 29128.11 +584.60 28626.48 28607.87

─29149.65

TOPIX 2015.45 +31.88 1988.58 1987.48

─2018.57

東証出来高(万株) 124310 東証売買代金(億円) 32808.97

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