中国芸術家の艾未未氏、財団口座をクレディ・スイスが閉鎖と訴え

中国政府に批判的な活動で知られる同国の現代芸術家、艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏は9月7日、スイスの金融大手クレディ・スイスが今年、自身の中国での「犯罪歴」に触れた上で自身が運営する財団のスイスにある銀行口座を閉鎖すると伝えてきたことを明らかにした。同氏は有罪判決を受けたことはないとしている。3月、ポルトガルで撮影(2021年 ロイター/Pedro Nunes)
中国政府に批判的な活動で知られる同国の現代芸術家、艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏は9月7日、スイスの金融大手クレディ・スイスが今年、自身の中国での「犯罪歴」に触れた上で自身が運営する財団のスイスにある銀行口座を閉鎖すると伝えてきたことを明らかにした。同氏は有罪判決を受けたことはないとしている。3月、ポルトガルで撮影(2021年 ロイター/Pedro Nunes)

[7日 ロイター] - 中国政府に批判的な活動で知られる同国の現代芸術家、艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏は、スイスの金融大手クレディ・スイスが今年、自身の中国での「犯罪歴」に触れた上で自身が運営する財団のスイスにある銀行口座を閉鎖すると伝えてきたことを明らかにした。同氏は有罪判決を受けたことはないとしている。

現在はポルトガルに居住する艾氏はウェブサイト「Artnet」への意見記事の中で、クレディ・スイスから最初に口座閉鎖を伝えられたのは今年の春だと説明。ロイターへの電子メールで「クレディ・スイスは当初、犯罪歴がある人々に関連した全ての銀行口座を終了する新しい規約があると伝えてきた」とし、財団は当時、9月までに資金を移すよう求められたと付け加えた。

この財団は表現の自由と芸術のために艾氏が2016年に開設した。

艾氏は2008年北京五輪の主会場となった北京国家体育場(鳥の巣)の設計を支援。その後、中国政府と衝突し、2011年に81日間拘束された経緯がある。同氏は、自身は犯罪で正式に起訴されたり、有罪判決を受けたりしたことはないとしている。

艾氏によると、クレディ・スイスは6月24日、同氏への電話で「できるだけ早期に」口座を閉鎖したいと伝えてきた。その際、マネジャーは同氏が数日前に受けたスイス紙とのインタビューに言及し、この中で同氏が「反移民政策」強化に賛成したスイス国民を批判したことを閉鎖の理由に挙げたという。

クレディ・スイスは「将来可能性のあるもしくは現在進行中の顧客との関係」については説明しないとして、艾氏の主張へのコメントを避けた。

艾氏はロイターに対し、口座は現在、閉鎖手続き中となっており、非常に限られたやり方でのみ利用可能となっているが、資金の移管は依然として必要だと説明した。

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