午後3時のドルは109円前半、中国不動産開発大手の債務問題が重し

午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点と比べ、小幅にドル安/円高の109円前半。写真はドル紙幣、2020年5月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点と比べ、小幅にドル安/円高の109円前半。写真はドル紙幣、2020年5月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

[東京 16日 ロイター] -

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 109.22/24 1.1801/05 128.91/95

午前9時現在 109.37/39 1.1817/21 129.27/31

NY午後5時 109.36/39 1.1815/19 129.20/24

午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点と比べ、小幅にドル安/円高の109円前半。中国の不動産開発大手である中国恒大集団の債務問題が経済全体に影響すると懸念される中、中国や香港の株価が下落し、リスク回避ムードの中で円買いが広がった。

円買いは特にクロス円で顕著で、ユーロ/円は128.92円と3週間ぶり安値を付けた。ドル/円は109.21円まで下落したが、前日の安値(109.11円)までは落ち込まなかった。

中国恒大集団の子会社、中国恒大地産集団は16日、債券の格下げを受け、上海上場債券の取引を1日停止することを申請したと明らかにした。再開に当たっては取引メカニズムを変更する。

中国恒大集団を巡る問題について、市場からは「まだ中国政府がどのように対応するか現時点では分からず、マーケットには不透明感が広がざるを得ない」(国内信託銀行)との声が聞かれた。

ゴールドマンのアナリストは「中国恒大の不動産開発事業に一段の混乱が生じた場合、国内の不動産購入者や投資家のセンチメントに非常に悪い影響を与え、影響は不動産セクター全体に波及する可能性がある」と指摘した。

市場では、「中国恒大の債務問題を巡って、リスク回避ムードが一段と広がれば、各国中銀のテーパリング(量的緩和の縮小)の時期も後ずれするかもしれない」(国内証券)との意見も聞かれた。

豪ドル/円は79.86円まで下落した。豪ドル/米ドルは0.7315ドル付近まで下落した。

豪連邦統計局が16日発表した8月の雇用統計によると、就業者数は前月比14万6000万人減と、市場予想(9万人減)よりも大幅な落ち込みとなった。

市場からは、「就業者数の落ち込みに加えて、中国の不動産開発大手、中国恒大集団を巡る報道が豪ドルの重しになった」(国内信託銀行)との意見が聞かれた。

豪州は中国との経済的な結びつきが強く、中国恒大集団の問題は、豪ドルに最も大きな影響を及ぼすとの指摘も出ている。

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