再送年内に数十兆円の経済対策、広く所得を引き上げ=岸田・自民党新総裁

政治・外交

9月29日、  自民党の岸田文雄新総裁(写真)は初めて記者会見し、新型コロナウイルス対応として年内に数十兆円の経済対策を策定すると表明した。自民党本部で代表撮影(2021年 ロイター)
9月29日、 自民党の岸田文雄新総裁(写真)は初めて記者会見し、新型コロナウイルス対応として年内に数十兆円の経済対策を策定すると表明した。自民党本部で代表撮影(2021年 ロイター)

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[東京 29日 ロイター] - 自民党の岸田文雄新総裁は29日夕に初めて記者会見し、新型コロナウイルス対応として年内に数十兆円の経済対策を策定すると表明した。格差是正のために分配を重視する考えを改めて示し、「幅広い国民の所得を引き上げる、こうした経済政策を取っていきたい」と語った。

<総裁選3候補の「能力発揮できる人事」検討>

所得引き上げの具体的な手段として、「働きの割に給与水準が低い看護師や介護士などの公的給与を引き上げ、民間の賃上げにつなげたい」と述べた。

総裁選では、報道・与党関係者の事前予想に反して1回目の投票で1位を獲得した。勝因について「丁寧で寛容な政治が支持を得られた」と分析した。

党役員や新内閣の人事については「まだ着手しておらず、明日1日はかかる」と述べ、具体的な公表日程は明示しなかった。二階俊博幹事長の後任についても「今現在、具体的な名前は確定していない」という。

総裁選を争った河野太郎行革相、高市早苗前総務相および野田聖子幹事長代行の処遇について「能力を発揮できるよう人事を考えたい」とし、積極的に登用する姿勢を見せた。中堅・若手の登用も進めたいとの意向を示した。

<衆院選勝敗ラインは自公で過半数>

11月にも想定される衆院選の勝敗ラインについて「(自民・公明の)与党で過半数」と述べた。公明党の議席がほぼ変動しないと仮定すれば、自民党として70議席減程度となる水準だ。

約9年にわたる安倍・菅政権の評価を巡り、「アベノミクスで日本経済の体質を強化できた」と評価した。森友学園を巡る公文書偽造問題については「行政で調査され、しっかり報告されている」と述べ、再調査は不要との見解を改めて示した。同時に、その上で国民が求めるのであれば、「政治の立場でしっかり説明が必要」との見解を示した。

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