午前の日経平均は、月末を意識し買い手控えムードに

経済・ビジネス

30日午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比104円92銭安の2万9439円37銭と続落した。写真は2020年10月、東京証券取引所で撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)
30日午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比104円92銭安の2万9439円37銭と続落した。写真は2020年10月、東京証券取引所で撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 30日 ロイター] - 30日午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比104円92銭安の2万9439円37銭と続落した。自民党総裁選など注目イベントが一巡する中、月末であることが意識されて買い手控えムードが支配した。大引けで日経平均入れ替えに絡んだ大規模な売りが発生するとの懸念も、株価を抑える要因となっている。

29日の米国株式市場はダウ工業株30種とS&P総合500種が上昇する一方、ナスダック総合は続落。米国債利回りの上昇は一服したが、不安定な相場展開が続く中、ディフェンシブ銘柄を中心に買いが入った。

これを受けて日本株は買い優勢で始まったものの、戻りは限定的となり、下値を探った後は安値もみあい。方向感が定まらない動きとなった。月末であるためポジション調整が活発化する可能性があり、「引けにかけての下振れが警戒されている。8月に月末安のアノマリーは途絶えたものの、市場のメカニズムが変わった訳ではない」(国内証券)という。

物色面では、3万円回復の原動力となっていたグロース株が調整色を深める一方、リオープン(経済再開)銘柄や、ディフェンシブ銘柄が買い優勢となっている。

市場では「日経平均の銘柄入れ替えに伴い、これに絡んだ売り注文が5000億円規模で出るとの観測もある。そのインパクトが警戒されるが、今の市場のボリュームであれば吸収できるのではないか」(野村証券・投資情報部ストラテジストの神谷和男氏)との声が聞かれた。

TOPIXは0.40%安で午前中の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆6486億1500万円となり、東証33業種では、海運業、輸送用機器、非鉄金属などが下落し、陸運業、医薬品などが値上がりした。

個別では、トヨタ自動車など主力株に軟調な銘柄が目立ったほか、レーザーテックなどの半導体関連株、日本郵船などの海運株がさえない。半面、塩野義製薬が大幅高。指数寄与度が大きいファーストリテイリングが堅調に推移した。

東証1部の騰落数は、値上がりが947銘柄、値下がりが1121銘柄、変わらずが97銘柄だった。

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