三菱電機が検査不正で報告書、幹部の関与認めず 会長は辞任

10月1日、三菱電機は、不正検査が相次いだ責任を取り、柵山正樹会長が同日付で辞任したと発表した。写真は東京都で2016年5月撮影(2021年 ロイター/Toru Hanai)
10月1日、三菱電機は、不正検査が相次いだ責任を取り、柵山正樹会長が同日付で辞任したと発表した。写真は東京都で2016年5月撮影(2021年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 1日 ロイター] - 三菱電機は1日、検査不正問題に取締役ら幹部の関与はなかったと結論づける調査報告書を公表した。柵山正樹会長は取締役会の実効性向上に向け、議長は社外取締役から選定することが望ましいとして辞任した。

外部専門家がまとめた報告書では、電磁開閉器の検査不正が判明した名古屋製作所可児工場(岐阜県可児市)の工場長は不正を認識していたものの、同社の「取締役および執行役は、その在任時期を問わず、いずれも可児工場の品質検査不正に関与したり、その存在を認識していたとは認められない」と指摘した。

経営陣が不正の事実を把握していたにもかかわらず、6月23日に開催した株主総会で公表しなかったことに関しては、顧客である鉄道車両メーカーや鉄道会社など106社に対する説明を優先したためで、「不合理ではない」とした。

報告書は、不正発生の背景として「工場あって、会社なし」とも言える拠点単位の組織構造、縦割りの事業本部制による弊害などを挙げている。

調査委員会は来年4月にかけて、同社の全22製作所を対象に調査を継続する。

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