前場の日経平均は続落、海外リスクを警戒 内需の一角はしっかり

経済・ビジネス

10月4日、前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比273円50銭安、2万8497円57銭となり、続落した。都内で2月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
10月4日、前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比273円50銭安、2万8497円57銭となり、続落した。都内で2月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 4日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比273円50銭安、2万8497円57銭となり、続落した。朝方は反発して始まったが、間もなく下落に転じ、一時300円超安に下げを拡大した。

米国や中国のリスク要因が警戒され、相場の重しとなった。一方、国内経済正常化への期待感から、内需関連株の一角では堅調な銘柄もみられた。

前週末1日の米国株式市場は主要株価3指数が反発した。堅調な経済指標を追い風に第4・四半期は好調なスタートとなった。米インフラ投資法案可決に向け進展がみられたことも材料視された。

東京市場で日経平均は、前週末の米株高を好感する形で反発して始まったが上値は重く、間もなく下落に転じた。米国の債務上限問題や、中国恒大集団の資金繰り懸念など、外部環境のリスクが引き続き警戒された。

市場では、先行して上げていた自動車や半導体関連といった外需株がグローバル経済の先行き不透明感を背景に下げた一方、「コロナ治療薬の進展や国内経済再開に向けた政策への期待を背景に内需株がしっかりだった」(三木証券の北澤淳商品部投資情報グループ次長)との声が聞かれた。

米メルクは1日、開発中の経口治療薬「モルヌピラビル」について、重症化の恐れがある患者の入院や死亡のリスクを約50%減らす効果があるとの中間臨床試験結果を公表した。

きょう発足する岸田文雄新内閣については「報じられた顔ぶれをみる限り、新鮮味が感じられない。次の一歩を見極めたい」(国内証券)といった声が多く聞かれた。

TOPIXは0.61%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆7512億8000万円だった。東証33業種では、下落率上位には海運業、電気機器、ガラス・土石製品などが並んだ。上昇率上位は鉱業、空運業、不動産業などだった。

トヨタ自動車やソニーグループなどの主力株に軟調な銘柄が目立ったほか、東京エレクトロンなどの半導体関連や電子部品も弱かった。指数寄与度の大きいソフトバンクグループやファーストリテイリングも売られた。一方、ANAホールディングスなどの空運、東海旅客鉄道などの陸運、外食や百貨店など内需株の一角はしっかりだった。

東証1部の騰落数は、値上がりが922銘柄、値下がりが1175銘柄、変わらずが81銘柄だった。

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