郵政株3次売却、海外販売25%に引き上げ 復興財源確保へ万全期す

日本郵政は6日、政府保有株の売り出しを決議した。最大およそ10.3億株を売り出す。資料写真、2017年1月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
日本郵政は6日、政府保有株の売り出しを決議した。最大およそ10.3億株を売り出す。資料写真、2017年1月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 6日 ロイター] - 財務省は6日、日本郵政株の3次売却を月内に実施すると正式発表した。発行済み株式総数の27.26%に相当する10億2747万7400株を売り出す。3次売却では海外向けの販売比率を25%に引き上げ、復興財源4兆円の確保に万全を期す。

郵政株を売却するのは2017年9月以来、4年1カ月ぶり。郵政民営化に伴う保有株売却は今回が最後となる。

3次売却に伴うブックビルディング(需要積み上げ)を12日から実施し、25日から27日のいずれかの日に売却価格を決定する。売却規模は6日終値換算で9520億円となる。

ブックビルディングに先立つ7、8両日にプレマーケティングを実施。郵政は8日から22日かけ投資家を対象にエクイティーストーリーを説明するロードショーを行う。

財務省によると現在の保有比率は60.6%程度で、3分の1を超える保有義務分を除くすべてを今回売り出す。同省幹部は「現在の株価で推移すれば概ね(復興財源の)4兆円は確保できると想定している」と述べた。

追加売却を担当する主幹事証券は大和、みずほ、SMBC日興、ゴールドマン・サックス、メリルリンチ日本、JPモルガンの6社で、全体を統括するグローバルコーディネーター(GC)は大和、みずほ、ゴールドマン、JPモルガンが務める。

郵政株を上場した15年11月と17年9月の2次売却ではいずれも販売比率を国内80%、海外20%としてきた。3次売り出しでは国内75%、海外25%に見直す。海外向けは機関投資家への販売を想定する。

郵政は15年11月に傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険とともに株式を上場。政府はこれまでに17年9月の2次売却と併せ、復興財源4兆円のうち2兆8000億円を確保した。

21年6月には郵政の自社株買いに応じるかたちで2500億円を追加調達しており、今回の売却で残る9500億円を確保する。

一方、郵政は発行株の3.5%に相当する1億3300万株、1000億円を上限とする自社株買いを決議し、3次売却と併せて公表した。売出価格決定日の5営業日後から22年4月28日までの間に自社株を買い取る。

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