午後3時のドルは111円半ば、12月まで債務上限引き上げで楽観ムード

午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点と比べドル高/円安の111円半ば。写真はドル紙幣、2020年5月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)
午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点と比べドル高/円安の111円半ば。写真はドル紙幣、2020年5月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

[東京 7日 ロイター] -

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 111.47/49 1.1548/52 128.74/78

午前9時現在 111.39/41 1.1553/57 128.71/75

NY午後5時 111.41/44 1.1556/60 128.75/79

午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点と比べドル高/円安の111円半ば。前日に共和党のマコネル上院院内総務が12月まで債務上限の一時的引き上げを容認すると表明したことで、金融市場がリスクオンのムードとなった流れを引き継いだ。

市場からは「原油価格の高騰が影響し、実需の円売りが根強いことも影響しているようだ」(国内信託銀行)との声が聞かれた。

昨日の海外市場から足元まで、米金融・債券市場では短期債利回りが急低下傾向にある。共和党のマコネル上院院内総務が12月まで債務上限の一時的引き上げを容認すると表明したことを受けたもの。これにより大きな経済的打撃につながる債務不履行(デフォルト)が回避される見通しだ。

1カ月物財務省短期証券(Tビル)利回りは、6日ニューヨーク序盤の取引で一時1.390%を付け、4日につけた1年ぶり高水準の1.450%に迫る勢いを見せたが、12月までの一時的債務上限の引き上げが伝わると、終盤には0.0507%まで下がった。 現在は0.0684%。

三井住友銀行のチーフエコノミスト、宇野大介氏は「世間では18日にもデフォルトに陥り、政府機関が閉鎖されることなどがささやかれていたため、マーケットは一定の評価をした」と述べた上で、「年明け以降、民主党は再び上限引き上げの問題に対応する必要が自動的に生じる。目先の材料だけで食いつなぐ金融市場も危ない綱渡りを続けることになる」とみている。

一方、ユーロは1.15ドル台半ばを中心に一進一退となった。昨日は1.1529ドル付近まで下落し、昨年7月以来の安値をつけた。

「利上げに前向きな米連邦準備理事会(FRB)に対して、かなり慎重な欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁。この金融政策の方向感の違いがユーロ安の根本原因」(外為アナリスト)との指摘がある。

「IMMのポジション繰りなどをみても、今後もユーロロングを維持しようという向きは少ないのではないか」(国内銀)との見方が聞かれた。

市場では「ユーロ圏も金融政策の正常化に向かっていることは事実なので、これ以上ユーロが下落するとはみていない」(国内信託銀行)との声も聞かれた。

市場では、週末の米雇用統計について「ADP雇用報告が市場予想を上回る内容となったことで、雇用統計への期待も高まっている」(国内証券)との声が聞かれた。

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