中国恒大のデフォルト「目前に迫る」、海外債権者が懸念

関係筋によると、中国の不動産大手、中国恒大集団の社債を保有する海外投資家の一部が、アジア時間8日夜から電話会議を開催し、今後の選択肢について協議する。写真は9月26日、深センにある恒大集団の本社(2021年 ロイター/Aly Song)
関係筋によると、中国の不動産大手、中国恒大集団の社債を保有する海外投資家の一部が、アジア時間8日夜から電話会議を開催し、今後の選択肢について協議する。写真は9月26日、深センにある恒大集団の本社(2021年 ロイター/Aly Song)

[上海/シンガポール/香港 8日 ロイター] - 経営危機に陥っている中国の不動産大手、中国恒大集団の社債を保有する海外投資家は、中国恒大の債務不履行(デフォルト)が近いことを懸念しており、同社からのより多くの情報と透明性を求めていると、海外投資家のアドバイザーが述べた。

中国恒大は先月、総額1億3100万ドルの利払いを実行できなかった。中国恒大からのドル建て社債の利払いに関する発表はなく、国内債権者を優先しているため、海外投資家は先月の利払いの30日間の猶予期間が終了した時点で大きな損失を被るのではないかと危惧している。

債権者グループはアドバイザーとして、投資銀行モーリスおよび法律事務所カークランド・アンド・エリスを選定。モーリスのマネジング・ディレクター、バート・グリセル氏は、海外債権者は中国恒大と「建設的に」関わることを望んでいるが、情報不足を懸念していると指摘。8日に行われた債権者との電話会談で「海外向け社債のデフォルトが目前に迫っており、短期間のうちに発生するだろう」と述べた。

また、中国恒大側との電話会議を数回行ったが「有意義な対話や情報提供」はなかったとした。

カークランド・アンド・エリスの香港事務所のリストラクチャリングパートナー、ニール・マクドナルド氏は、債権者は一段の透明性を求めており、中国恒大が株式上場規則に基づく情報開示義務を果たすことを望んでいるほか、中国恒大の一部事業の売却計画やそれで得られる資金の使途についてより多くの情報を求めているとした。

中国恒大はロイターのコメント要請に応じていない。来週には約1億5000万ドルの海外債権者への利払い期日を迎える。

モーリスとカークランド・アンド・エリスは現在、中国恒大の50億ドル相当の海外向け社債を保有している債権者を代表しているという。

関係筋によると、中国恒大のドル建て社債の社債管理会社であるシティは、法律事務所のメイヤー・ブラウンを法律顧問に起用した。両社はコメントを控えている。

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