原油先物下落、中国がガソリン備蓄放出 OPECプラスに注目

アジア時間1日の原油先物価格は下落している。写真は米パーミアン盆地の掘削現場、2019年11月撮影(2021年 ロイター/Angus Mordant)
アジア時間1日の原油先物価格は下落している。写真は米パーミアン盆地の掘削現場、2019年11月撮影(2021年 ロイター/Angus Mordant)

[東京 1日 ロイター] - アジア時間1日の原油先物価格は下落している。中国がガソリンとディーゼル燃料の備蓄を放出したことが背景。4日の石油輸出国機構(OPEC)プラス会合を控え、ロングポジションを解消する動きが出ている。

中国の国家食料物資備蓄局は31日、一部地域における市場の供給量拡大と価格安定支援に向け、ガソリンとディーゼル燃料の備蓄を放出したと発表した。

0039GMT(日本時間午前9時39分)現在、北海ブレント原油先物は0.20ドル(0.2%)安の1バレル=83.52ドル。先週末は0.06ドル上昇した。

米WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は0.37ドル(0.4%)安の83.20ドル。先週末は0.76ドル値上がりした。

市場の関心は4日のOPECプラス会合に集まっている。アナリストによると、12月の増産幅を日量40万バレルとする計画を維持する見通し。

ただ、日産証券のアナリスト、菊川弘之氏は「OPECプラスが追加の増産を決める可能性が残っているため、一部の投資家はポジションをスクエアにしたいと考えている」とし、OPECプラスの決定を確認した後は、投資家が買いを再開するだろうとの見方を示した。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、10月26日までの週は、資産運用会社が米原油先物の買い越し幅を縮小した。

バイデン米大統領は30日、余剰生産能力がある20カ国・地域(G20)の主要エネルギー産出国に対し、世界経済の回復を促すため、増産を求めた。

ただ、イラクの国営石油販売会社SOMOは30日、OPECが計画している以上に自国の生産能力を増強する決定を下す必要はないとの認識を示した。

米石油サービス会社のベーカー・ヒューズBKR.Nが29日発表した週間データ(29日までの週)によると、米国内の石油・天然ガス掘削リグ稼働数は前週から2基増の544基と、昨年4月以来の高水準を記録した。

米石油大手エクソンとシェブロンは29日、パーミアン盆地のシェール層でリグ稼働数を増やすことを検討していると表明した。

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