ホンダが今期業績を下方修正、部品不足で四輪販売計画65万台下振れ

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11月5日、ホンダは2022年3月期(今期)の連結業績予想(国際会計基準)を下方修正した。写真はホンダのマーク。都内で2019年2月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-hoon)
11月5日、ホンダは2022年3月期(今期)の連結業績予想(国際会計基準)を下方修正した。写真はホンダのマーク。都内で2019年2月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-hoon)

[東京 5日 ロイター] - ホンダは5日、2022年3月期(今期)の連結業績予想(国際会計基準)を下方修正した。純利益は前年比15.6%減の5550億円になる見通し。従来は6700億円を見込んでいた。半導体不足やアジアでの新型コロナウイルス感染拡大に伴う部品の供給制約で減産を迫られ、四輪の世界販売計画は従来予想から65万台下振れる。

アナリスト19人の今期純利益の事前の市場予想(IBESのコンセンサスによる予想)は6626億円で、修正後の会社予想は市場予想を下回っている。

売上高に相当する売上収益予想は同10.9%増の14兆6000億円(従来は15兆4500億円)、営業利益予想は前期から微減の6600億円(同7800億円)にそれぞれ引き下げた。

今期の前提為替レートは1ドル=110円と従来の106円から円安方向に見直した。

今期の世界の四輪販売計画は420万台と従来の485万台から65万台引き下げた。倉石誠司副社長は決算会見で「アジアでのロックダウン(都市封鎖)の長期化により、部品供給がさらに厳しくなった」と背景を説明した。販売計画の下方修正は今期2度目。期初は500万台を見込んでいたが、4─6月期決算発表時の8月に15万台引き下げた。下期に挽回予定だったが叶わず、計80万台減らすことになる。

半導体不足やロックダウンなど複合的な要因による減産規模は4─6月決算発表時の想定より増え、7―9月期の販売は91万7000台と前年同期から3割近く落ち込んだ。

倉石氏は、半導体を含む部品の複数調達化などの対策を講じて「年明けから挽回生産を進める」としたが、減産分すべてを取り戻すのは「今期中は厳しい状況だ」とも述べた。同氏は、23年3月期は「挽回生産に加え、ホンダ車のモデルサイクルも良い」として旺盛な需要を取り込む考えを示した。

課題となっている四輪事業の営業利益率については、7―9月期は4─6月期比で1ポイント減の2.1%と悪化した。中国や米国で販売が減少した。

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