9日の日経平均は続落、円高と米株先物安が重し

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東京株式市場で日経平均は続落した。写真は、東証内の株価ボード。2020年10月1日に撮影。(2021年 ロイター/Issei Kato)
東京株式市場で日経平均は続落した。写真は、東証内の株価ボード。2020年10月1日に撮影。(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 9日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続落した。米株高を好感して始まったものの、円高や時間外取引で米株先物が軟調に推移したことが重しになった。そうした中で、ソフトバンクグループをはじめ自社株買いを発表した銘柄が堅調となり、自社株買いが相場テーマになるとの見方も出ている。

8日の米国株式市場は小幅高。S&P総合500種とナスダック総合は8営業日連続で終値での最高値を更新。ダウ工業株30種も2営業日連続で最高値で引けた。これを受けて日本株は堅調な始まりとなったが、よりどころとなる米株は、時間外取引で先物が軟調に推移。さらに、外為市場でドル/円が112円台まで円高に進んだことも重しとなり、安値もみあいで推移した。

ただ、指数寄与度が大きいソフトバンクグループが前日に自社株買い1兆円の方針を発表したことを好感して大幅上昇したことが日経平均の下支え要因となったほか、立ち会い時間中に自社株買いを発表した大成建設、明治ホールディングスなどが上値追いとなるなど「物色面では自社株買いを発表した銘柄に関心が集まり、当面の相場テーマとなりそうだ」(国内証券)という。

市場では「米株高を考慮すれば堅調に推移しても不思議ではないところだが、現時点でみえてきた国内の(岸田政権の)政策は需要喚起策のみで将来の成長を感じさせない。そのあたりを気にする投資家も多いのではないか」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との声も聞かれた。

TOPIXは0.81%安。東証1部の売買代金は2兆7458億9100万円だった。東証33業種では、繊維業、ゴム製品、海運業など30業種が下落し、値上がりは情報・通信業など3業種にとどまっている。

個別では、トヨタ自動車など主力の輸出関連株に軟調な銘柄が目立つほか、ファーストリテイリングが大幅安。半面、ソフトバンクグループが商いを伴って大幅高となった。

一方、東証2部市場に新規上場した日本調理機は、公開価格を1.47%上回る2750円で初値を付けた後は弱もちあいとなった。

東証1部の騰落数は、値上がり400銘柄に対し、値下がりが1719銘柄、変わらずが64銘柄だった。

終値 前日比 寄り付き    安値/高値  

日経平均 29285.46 -221.59 29557.55 29240.31

─29750.46

TOPIX 2018.77 -16.45 2040.85 2018.32

─2048.76

東証出来高(万株) 119955 東証売買代金(億円) 27458.91

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