サウジ政府系ファンド、米上場株投資を3倍に拡大 第3四半期

[ドバイ 15日 ロイター] - サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」が、第3・四半期(9月30日まで)に米上場株の保有額を前四半期の約160億ドルから434億5000万ドルへと約3倍に拡大させたことが米証券取引委員会(SEC)への提出資料で分かった。

中国の電子商取引大手アリババ・グループの米上場株や米小売り大手ウォルマート、画像共有サイトの米ピンタレストを取得。また、オランダのジャスト・イート・テイクアウェー・ドット・コムやカナダのバラード・パワー・システムズも取得した。

PIFは米配車大手ウーバー・テクノロジーズを3.75%保有しているほか、ソフトバンクの1000億ドル規模のテクノロジー投資ファンドに450億ドル投じている。

PIFの資産運用額は4300億ドル。

PIFはまた、新興の電気自動車(EV)メーカー、米ルーシッドモーターズの62.72%の株式を保有しており、その市場価値は約710億ドルと9月末から大幅に上昇している。

業界データを専門に扱うグローバル・SWFのマネージング・ディレクター、ディエゴ・ロペス氏は「第3・四半期の数字は確かに第2・四半期よりもかなり大きいが、増加分のほとんどは7月のルーシッド・モーターズの新規株式公開(IPO)によるものだ」と指摘。「ルーシッドの影響を切り離すと、米株式保有額は159億ドルから177億ドルと、11%の増加にとどまる」と語った。

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