日経平均は反落、変異株への警戒感が重し FOMC前で様子見も

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東京株式市場で、日経平均は反落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて見送りムードが強まった。写真は東証、2020年10月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
東京株式市場で、日経平均は反落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて見送りムードが強まった。写真は東証、2020年10月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 14日 ロイター] - 東京株式市場で、日経平均は反落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて見送りムードが強まった。一時的にプラスに浮上する場面があったが、短時間でマイナスに押し返された後は、安値圏での一進一退が続いた。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」を巡る懸念が高まり、相場の重しとなった。

日経平均は前日の米株安を受けて安く始まった後、朝方には一時プラスに浮上する場面があった。ただ、その後は再びマイナスに沈み、安値圏でのもみあいに終始した。FOMCを前にして「引き続き身動きがとりにくい」(国内証券)との声が聞かれた。

自社株買いの制限を巡る岸田文雄首相の発言が伝わり、後場にかけて相場の重しになる場面があった。市場では「FOMCを控えて様子見のところ、先物で崩すような動きがあり、影響が出やすかった」(証券ジャパンの大谷正之投資情報部部長)との見方が出ていた。

岸田文雄首相は午前の衆院予算委員会で、自社株買いの制限を巡る質問に対し、「多様なステークホルダーを重視して持続可能な新しい資本主義を実現していくことから考えた時、重要なポイント」と指摘した。

その上で「企業のさまざまな事情や判断があるので、画一的に規制することは少し慎重に考えなければいけないのではないか。個々の企業の事情等にも配慮したある程度の対応、たとえばガイドラインなどは考えられないだろうかということは思う」と述べた。

一方、新興株も軟調だった。マザーズは1000を割り込んで、年初来安値を更新した。「新規株式公開(IPO)ラッシュに備えた換金売りで需給環境が悪化している。下値模索は続きそうだ」(大谷氏)との見方が出ていた。

TOPIXは0.22%安で取引を終了。東証1部の売買代金は2兆3251億3200万円だった。東証33業種では、空運業、サービス業、陸運業など20業種が値下がりした一方、保険業、医薬品、電気・ガス業など13業種が上昇した。

東京エレクトロンなど半導体製造装置関連は総じて軟調に推移。日立製作所や日本郵船もさえなかった。塩野義製薬やトヨタ自動車はしっかりだった。

東証1部の騰落数は、値上がり766銘柄(35%)に対し、値下がりが1317銘柄(60%)、変わらずが100銘柄(4%)だった。

終値 前日比 寄り付き    安値/高値  

日経平均 28432.64 -207.85 28554.86 28,309.67─28,672.96

TOPIX 1973.81 -4.32 1976.67 1,966.82─1,985.20

東証出来高(万株) 98594.00 東証売買代金(億円) 23251.32

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