ルネサス、前期営業益2.8倍 今期も出足「引き続き堅調」

[東京 9日 ロイター] - ルネサスエレクトロニクスは9日、2021年12月期通期(国際会計基準)の営業利益が前期比2.8倍の1836億円だったと発表した。今年に入っても半導体需要は「引き続き堅調」(柴田英利社長)で、出足は好調だという。

詳細な業績予想は公開していないが、22年1─3月期の売上高計画は前期比65%増の3360億円から上下に40億円程度振れる範囲とし、営業利益率は同8.7%ポイント上昇の34.5%を提示した。アナリストによる通期営業利益のコンセンサス予想は2792億円。

柴田社長は、自動車の装備充実や電気自動車(EV)化などが需要増の背景だとしたうえで、前期売上高の3分の1程度は顧客のもとに在庫として積み上がっている可能性があると分析した。ただ「今年の生産台数は昨年から大きく伸びる見通しで、(その通り販売が)順調なら心配することはない」と説明した。

逼迫が長期化する半導体は、ピークアウトや反動減の可能性を指摘する声が増えている。柴田社長は「継続的にウオッチしているが、きょうの時点ではそれほど心配していない」という。

また、好調が続く今期は「もう一段成長できる会社へひと皮むけていきたい」といい、成長加速に向けた投資や企業買収を模索していることを明らかにした。株主還元にも取り組む方針だという。

(基太村真司)

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