北朝鮮が新型ICBM発射、米と「長期対決」の用意

3月25日、北朝鮮の国営メディアは、同国が24日の実験で「新型」の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」を発射したと報じた。「米国の帝国主義」に対する核抑止力を強めるとしている。写真は同日、韓国の首都ソウルで北朝鮮の発射実験を伝えるテレビに見入る人たち(2022年 ロイター/ Yonhap via REUTERS)
3月25日、北朝鮮の国営メディアは、同国が24日の実験で「新型」の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」を発射したと報じた。「米国の帝国主義」に対する核抑止力を強めるとしている。写真は同日、韓国の首都ソウルで北朝鮮の発射実験を伝えるテレビに見入る人たち(2022年 ロイター/ Yonhap via REUTERS)

[ソウル 25日 ロイター] - 北朝鮮の国営メディアは25日、同国が24日の実験で「新型」の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」を発射したと報じた。「米国の帝国主義」に対する核抑止力を強めるとしている。

日韓の防衛当局は24日、北朝鮮が同日に過去最大規模とみられるICBMの発射実験を行ったと発表していた。北朝鮮のICBM発射は2017年以降で初めて。北朝鮮が自ら課したICBM発射モラトリアム(一時停止)に終止符を打ったことで、日米韓からの非難が相次いだ。

朝鮮中央通信(KCNA)によると、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が発射実験を直接指揮した。

金総書記は「朝鮮半島とその周辺で日々、軍事的緊張が高まって」おり、「核戦争の危険を伴う米帝国主義との長期対決は不可避」として発射を命じた。

また、北朝鮮は米国の帝国主義との長い対決の準備をしており、戦略部隊は米国のいかなる軍事的な試みも阻止し、封じ込める用意が整っていると述べた。

「北朝鮮の新戦略兵器の出現は、世界中にわれわれの戦略軍の力を改めてはっきりと認識させるだろう」とし、「北朝鮮の安全保障を脅かそうとする勢力は非常に大きな代償を払うことになると事前に知るべき」とも述べた。

韓国の尹錫悦次期大統領は25日、北朝鮮が挑発によって得るものは何もないとの見方を示した。尹氏はこの日、中国の習近平国家主席との電話会談を予定している。

国連安全保障理事会は25日1900GMT(日本時間26日午前4時)に公開会合を開催し、北朝鮮のミサイル発射について協議する。

米国務省は24日、北朝鮮のミサイル開発プログラムに転用可能な品目を提供したとして、ロシア企業2社と北朝鮮の1社に制裁を科したと発表した。

<新型ICBM>

国営メディアが公表した画像では、大型のミサイルが炎を出しながら発射装置から上昇する様子が映されている。

KCNAによると、ミサイルは1090キロ飛行し、海上の目標に正確に命中した。最高高度は6248.5キロとしている。

北朝鮮が17年に実施したICBM発射実験では最高高度約4475キロ、距離950キロ、飛行時間53分で、今回の発射実験は高度、距離、時間のいずれも17年時を上回った。

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