米中関税応酬、影響を警戒=多国間貿易ルール訴え-政府

政治・外交

米国と中国による制裁関税の応酬をめぐり、政府は日本経済と国内企業への影響を精緻に確認する予定だ。併せて、米中に「世界貿易機関(WTO)協定に沿った対応」を呼び掛け、自制を求める構え。ただ、日本単独で「報復の連鎖」に歯止めをかけるのは難しく、米国が日本も対象とした輸入制限措置を拡大すれば、厳しい判断を迫られることになりそうだ。

「世界の産業はグローバルなサプライチェーン(部品供給網)で密接につながっている」。世耕弘成経済産業相は6日午前の記者会見で、米中摩擦が日本企業に打撃を及ぼす可能性に懸念を示した。日本メーカーの機械部品などは中国の対米輸出製品に使われているとみられ、製造や供給面での費用増加が危ぶまれている。

世耕氏は「(影響が出る場合は)必要な対応を行う」と表明。一方、「現時点で影響を見極めるのは難しい」とも語り、アジア貿易の停滞や部品相場の変動など間接的影響も確認する必要があるとの考えをにじませた。

貿易赤字削減を最重視するトランプ米政権は、中国だけではなく、日本にも「不均衡是正」を要求。日米が月内にも始める新貿易協議(FFR)などを通じ、圧力を強める公算が大きい。

日本は米国の市場開放要求をそらすため、広域経済ルールの重要性を訴えていく方針だ。6日には、環太平洋連携協定(TPP)参加11カ国による新協定「TPP11」の国内手続きが完了したことを、協定事務を担うニュージーランドに通知。米国の関税発動に先んじる形で、多国間の自由貿易を推進する姿勢を改めてアピールした。

しかしトランプ米政権は、鉄鋼・アルミニウムに続き、自動車についても「安全保障上の脅威」を理由にした輸入制限を検討している。これまで日本は対米報復措置に極めて慎重な姿勢だったが、基幹産業の自動車が標的になれば影響は甚大。経済官庁幹部は「より踏み込んだ対応が必要になる」と警戒を強めている。

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