「民主主義の成熟度に関わる」=決裁文書改ざん受け-国立公文書館館長

政治・外交

国立公文書館の加藤丈夫館長は14日までに時事通信のインタビューに応じ、安倍政権の公文書管理をめぐる一連の不祥事について「民主主義の成熟度に関わる問題だ」と警鐘を鳴らした。その上で、公文書の専門家育成に力を入れるべきだとの考えを示した。一問一答は以下の通り。

-公文書管理をめぐる問題点は。

公文書管理法が施行されてまだ7年。公文書は民主主義のインフラだとの理念が必ずしも全部の職員に徹底されていない。これは民主主義の成熟度に関わる問題だ。

例えば、米国でウォーターゲート事件が起きたのは四十数年前。失敗を繰り返しながらルールがしっかりしてきている。日本は欧米で100年かかったことを10年で追いつかなければならない。

-政府が再発防止策を検討している。

マスコミにたたかれるから対症療法的な対策ばかり打ち出す。罰則強化の話が盛んにあるが、まずは公文書作成がどういうことか理解されていないところで、罰則だけを先につくっても有効かという問題がある。

-今後の公文書管理のために必要なことは。

まず意識改革。今の局長クラスは若い時代に公文書管理法がなく、学ぶ機会がなかった。この際、上の人も下の人も研修を受けて、理念を改めて学ぶ必要がある。

-公務員が作成したメールは全て保存すべきだとの議論がある。

そもそも、公務員が作成しているものが公文書だと意識できていないと、全部残すという議論は意味がない。米国は残しているが(公務員の)トレーニングのレベルが違う。

-国立公文書館として力を入れたいことは。

公文書管理に携わる「アーキビスト」は欧米ではれっきとした専門職業だが、日本では定義もない。育成は喫緊の課題。しっかりした資格制度をつくりたい。(3月に基本計画が決まった)新しい国立公文書館が完成したころには、アーキビストを150人くらいにしたい。それくらいの危機感と切迫感を持って取り組む必要がある。

インタビューに答える加藤丈夫国立公文書館長=6日、東京都千代田区

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